アパレル業界におけるシェアードアイテムとは?
アパレル業界の分野におけるシェアードアイテム(しぇあーどあいてむ、Shared Item、Article partag?)とは、性別や世代を超えて複数の顧客が共有して着用できるユニセックスまたはファミリー向けの商品を意味します。デザインやサイズ展開を工夫し、家族やカップルでお揃いコーディネートを楽しむ、またはジェンダーレスに着回せるように設計されたアイテム群を指します。
シェアードアイテムの特徴と意味
シェアードアイテムは、性別や年齢の枠にとらわれず、誰もが着用可能なデザインやサイズバリエーションを持つ点が最大の特徴です。典型的には、襟元やシルエットをあえてシンプルかつ中性的に設計し、カラーや素材感もユニセックスで受け入れやすいものが選ばれます。さらに、キッズサイズ・レディースサイズ・メンズサイズといった複数のサイズ展開を同一商品でラインナップし、家族やカップルが同じアイテムを共用できるようにします。
デザイン面では、ロゴやプリントを統一しつつ、袖や裾にわずかにアレンジを加えて各サイズごとにフィット感を最適化します。これにより、見た目ではペア感を出しながら、着心地は個々に最適化されるため、共有しても違和感なく着倒せるのが魅力です。素材にはコットンやオーガニックコットン、リサイクルポリエステルなどを採用し、サステナブルな価値観を共有するブランドも増えています。
シェアードアイテムの由来と歴史
シェアードアイテムという概念の源流は、1960年代~70年代のヒッピーやジェンダー平等運動にまで遡ります。当時、男女の服装規範を崩すユニセックスファッションが登場し、「性別を超えて共用できる服」への志向が生まれました。しかし、当時はまだ単一のサイズやディテールが中心であり、実用的な共有には至りませんでした。
日本で「シェアードアイテム」という名称が使われ始めたのは2000年代後半~2010年代にかけてで、家族やカップルでお揃いの服を楽しむカルチャーがSNSで拡散したことがきっかけです。ヒップホップやストリートブランドがペアアイテムを提案するようになり、親子リンクコーデやカップルコーデブームが到来しました。すると、「家族全員で同じ商品をシェアする」という新しい価値が生まれ、ユニセックスだけでなくキッズサイズと大人サイズを同型で展開するシェアードアイテムが確立しました。
現代のファッションにおけるシェアードアイテムの使われ方
現代では、シェアードアイテムはライフスタイルブランドやサステナブル系ブランドで特に注目されています。例えば、同一デザインのTシャツをキッズ・レディース・メンズで展開し、家族で色違い・サイズ違いを揃えるスタイルが定番です。特に子どもの成長に合わせて長く使えるリサイズ可能なデザインや、リサイクルコットンを用いたエコロジカルなアイテムが人気です。
また、ジェンダーレスファッションの潮流により、性別を問わず同じアイテムを選べるメリットが高まっています。カジュアルウェアやルームウェアでは、シェアードアイテムとしてのユニセックスパーカーやスウェットが定番化。リンクコーデとして、友人やカップルでお揃いを楽しむケースが増えています。
加えて、サステナブル重視の消費者が増える中で、ミニマリストやシンプルライフを提唱する層は、「服を共有しながら長く着る」という価値観を重視します。そのため、品質と耐久性の高い素材を用い、洗いをかけても形崩れしにくいシェアードアイテムが注目を集めています。さらに、サイズフリー・ワンサイズ展開のデザインや、伸縮性のあるストレッチ素材によって、誰でも快適にシェアできる服作りが進行中です。
まとめ
シェアードアイテムは、性別や世代を超えて複数の顧客が同じ商品を共用できるように設計されたユニセックスまたはファミリー向けアパレルです。1960~70年代のユニセックス文化を起源とし、SNSやリンクコーデブームによって2000年代以降に確立されました。現在では、家族コーデ・カップルコーデの提案、サステナブル志向の共有ライフスタイル、ジェンダーレスのトレンドを背景に、多様なブランドがシェアードアイテムを展開し、服を通じた新しい価値観を提案しています。