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アパレル業界におけるシャンブレーとは?

アパレル業界の分野におけるシャンブレー(しゃんぶれー、Chambray、Chambr?)は、経糸に白糸、緯糸に色糸を用いた平織りの薄手生地を指します。コットンを中心に、デニムに似た奥行きのある表情を保ちながらも、軽やかで通気性に優れた風合いが特徴です。シャツやワンピース、カジュアルジャケットなどに多く用いられ、季節を問わず気軽に取り入れられる定番素材として親しまれています。



シャンブレーの語源と歴史的背景

シャンブレーの名前は、フランスの都市名「シャンブレー(Chambray)」に由来するとされます。この地域では、古くから軽量で丈夫な織物が生産され、その名が生地の名称として世界に広まりました。16世紀頃には、絹糸を用いたシャンブレーが上流階級の衣料に用いられていましたが、19世紀に入ると、インディゴで染めた綿糸を緯糸に用いる手法がアメリカに渡り、ワークウェアやミリタリーシャツに採用されるようになります。

第二次世界大戦中には、米軍のユーティリティシャツにもシャンブレー生地が使われ、耐久性と通気性を兼ね備えたワークウェアとして高い評価を受けました。戦後はカジュアルウェアとして広まり、1950~60年代のアイビールックやヴィンテージデニムスタイルの定番素材に定着。以降、デニムと並ぶベーシック生地として、ファッション史にその名を刻んでいます。



シャンブレーの特徴と素材の魅力

シャンブレーの最大の特徴は、経糸に白糸、緯糸に色糸を用いた淡いムラ感です。表面には穏やかな色味が浮かび、光の当たり方でほんのりと輝くため、デニムよりも洗練された印象を与えます。織りは平織りのため、薄手かつしなやかで動きやすく、春夏シーズンのシャツに最適です。

素材は主に綿100%が多いものの、リネン混やポリエステル混も見られ、用途や季節に応じたバリエーションが豊富です。コットンシャンブレーは肌触りが柔らかく、通気性に優れるため汗をかいても爽やかに着用できます。リネン混シャンブレーはさらに涼感とナチュラルな風合いを強調し、高温多湿な環境でも快適です。また、ポリエステル混シャンブレーしわになりにくく、イージーケア性が求められるアイテムに好まれます。



現代ファッションにおけるシャンブレーの使われ方

現代では、シャンブレーはシャツが最も代表的ですが、ワンピース、スカート、カジュアルジャケットとしても広く使用されています。シャンブレーシャツは、白Tシャツに重ねるレイヤードスタイルや、ショーツとの組み合わせで爽やかな春夏コーデを楽しむ定番アイテムです。

シャンブレーワンピースは、一枚で着用できるうえ、軽やかなドレープ感が女性らしさを演出します。ベルトでウエストマークすればきちんと感のあるシルエットに、ゆったりとしたまま着るとリラックスムードを醸し出します。カジュアルシーンだけでなく、オフィスカジュアルにも応用可能です。

また、シャンブレージャケットは、裏地のない軽量アウターとして人気があります。デニムジャケットよりもきれいめに見せつつカジュアルな雰囲気を保つため、春先や秋口の羽織りとして最適です。デニム素材とミックスしたアイテムも登場し、マルチテクスチャーのコーディネートが楽しめます。

最近は、サステナブルシャンブレーが注目を集め、オーガニックコットンやリサイクルコットンを使用した製品が増えています。これにより、環境配慮とファッション性を両立し、エココンシャスな消費者に支持されています。機能面では、速乾加工や抗菌防臭加工を施したシャンブレーが登場し、アウトドアやアクティブシーンでも活用されています。



まとめ

シャンブレーは、経糸に白糸、緯糸に色糸を用いた平織りの薄手生地であり、デニムに似た奥行きのある表情軽やかさ・通気性を兼ね備えています。16世紀フランス発祥の高級織物として始まり、ミリタリーやワークウェアを経て現代のカジュアルウェアに定着しました。シャツ、ワンピース、ジャケットなど多様なアイテムに応用され、サステナブル素材や機能加工の導入で進化を続けています。今後も軽やかな季節感とナチュラルな風合いを楽しむ定番素材として愛されるでしょう。

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