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アパレル業界におけるシャーリング加工とは?

アパレル業界の分野におけるシャーリング加工(しゃーりんぐかこう、Shirring Processing、Fronces ?lastiqu?es)は、生地に細かいギャザーやしわを寄せて、伸縮性と装飾性を持たせる縫製技術です。主にゴム糸や伸縮糸を使用し、ウェストや袖口、胸元などに施され、身体にフィットしやすくなると同時に柔らかい印象を与えるため、多くのファッションアイテムに活用されています。



シャーリング加工の語源と歴史的背景

シャーリング加工の「シャーリング(shirring)」は英語に由来し、「しわを寄せる」「ひだを作る」といった意味を持ちます。もともとはヨーロッパの伝統衣装に見られる手縫いのギャザー技法から発展し、19世紀の女性用ドレスやブラウスに多く使用されていました。

20世紀に入り、工業用ミシンの発達とともにゴム糸を用いた機械的なシャーリングが可能となり、ファッションアイテムの量産が進む中でこの加工法が広まりました。特に1950年代以降のアメリカやヨーロッパでは、子供服やカジュアルウェア、リゾートドレスなどに頻繁に採用され、装飾性と機能性を兼ね備えた技法として定着しました。



シャーリング加工の特徴と技術的ポイント

シャーリング加工の最大の特徴は、伸縮性と柔らかな立体感を持つ点です。ゴム糸を下糸にして直線的に縫うことで、生地が自動的に縮み、均一なギャザーが形成されます。これにより、ウェストや袖口に自然なフィット感が生まれ、着心地の良さとシルエットの美しさを両立させることができます。

素材の選び方も重要で、薄手の綿やポリエステル、レーヨンなど、柔らかく軽い生地に対して効果的です。また、模様や色使いによって表情が大きく変わるため、プリント柄との相性も意識されることが多く、デザイン性の高いアイテムに多く用いられています。



現代ファッションにおけるシャーリング加工の使われ方

現代のファッションにおいては、シャーリング加工は多くの場面で見られます。代表的なのは、夏向けのブラウスやワンピース、オフショルダーのトップスなどで、可愛らしさやフェミニンさを演出するための重要なディテールとなっています。

また、スポーティな印象を与えるデザインやストリート系ファッションにおいても、シャーリング加工を用いることで、程よく身体にフィットさせながらも動きやすさを確保する役割を果たしています。加えて、エコファッションやリメイク文化の広がりとともに、自宅で手軽にシャーリングを取り入れるDIYファッションも注目されています。



まとめ

シャーリング加工は、生地に伸縮性と装飾性を加える縫製技術として、古くから世界中の衣服に取り入れられてきました。その歴史は手縫いによる伝統技術に端を発し、現在では機械化によって大量生産にも対応可能となっています。ファッション性と機能性を高次元で両立できるため、今後もさまざまなデザインに応用されていくと考えられます。

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