ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【タイダイ柄】

アパレル業界におけるタイダイ柄とは?

アパレル業界の分野におけるタイダイ柄(たいだいがら、Tie-Dye Pattern、Motif tie and dye)とは、布を部分的に縛る(tie)・染める(dye)という技法により生まれる独特のにじみ模様や渦巻き状のカラフルな柄のことを指します。偶然性や手作業による一品ごとの個性が魅力であり、1960年代のヒッピームーブメントを象徴するファッションスタイルとして定着しました。近年ではストリートやリゾート、フェスファッションにおいても再評価されており、ユニークで自由な表現が可能なデザインとして多くのブランドで採用されています。



タイダイ柄の語源と起源

タイダイ柄は、英語の'tie'(縛る)と'dye'(染める)を組み合わせた言葉で、布を糸やゴムで部分的に縛って染料に浸すことで、縛った部分が染まらず独特な模様が浮かび上がる技法に由来します。フランス語では'Motif tie and dye'と呼ばれ、世界中でさまざまな民族文化に見られる伝統的な染色方法のひとつでもあります。

起源は古代にまで遡り、日本の「絞り染め」やインドの「バンドゥニ」、インドネシアの「バティック」などにも類似の技法が存在していました。現代的な意味でのタイダイ柄が広まったのは1960年代のアメリカにおいてで、カウンターカルチャーやヒッピームーブメントの中で自由や反体制の象徴として多用されました。多色使いで大胆な模様が特徴的なこの柄は、自己表現の手段として多くの若者に受け入れられました。



タイダイ柄の特徴とデザイン効果

タイダイ柄の最大の特徴は、一点一点異なる模様が生まれるという偶然性にあります。手作業で縛る位置や染料のかけ方を調整することで、放射状、渦巻き、グラデーション、斑点模様など多彩な表現が可能になります。

色の組み合わせ次第で明るくポップな印象から落ち着いたナチュラルな雰囲気まで幅広く対応できるのも魅力で、Tシャツやワンピース、スウェット、パーカー、アクセサリーなど、さまざまなアイテムに取り入れられています。製品によっては染め加工後に洗いをかけ、色落ちやビンテージ感を演出することもあります。



現代アパレルにおけるタイダイ柄の活用

近年では、タイダイ柄は「レトロブーム」や「DIYファッション」の流行とともに再び注目を集めています。フェスファッションやリゾートウェアの代表格として定着しており、カジュアルな雰囲気を活かしたコーディネートに重宝されています。

また、ストリートブランドやハイファッションブランドもランウェイでタイダイ柄を採用し、従来のサブカルチャー的要素から洗練されたモダンファッションへの昇華も見られます。エコファッションやサステナブルなものづくりが注目される中で、天然染料や再生素材を使ったハンドメイドのタイダイも評価されています。個性を打ち出せる柄として、ジェンダーレスで年齢を問わない幅広い層に親しまれています。



まとめ

アパレル業界におけるタイダイ柄とは、布を縛って染めることで生まれる独特の模様を持つ柄であり、そのルーツは世界各地の伝統染色に見られる手法にあります。1960年代のカウンターカルチャーとともに現代ファッションに定着し、現在ではストリート、リゾート、エシカルといったさまざまな文脈で進化を続けています。色と模様の自由な組み合わせによる表現力と、一点もののような魅力が、今も多くのファッション愛好者を惹きつけています。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス