アパレル業界におけるタッセル付きシューズとは?
アパレル業界の分野におけるタッセル付きシューズ(たっせるつきしゅーず、Tassel Shoes、Chaussures ? pampilles)とは、靴の甲部分などに飾り房(タッセル)が付いたデザインのシューズを指します。もともとはローファーなどのカジュアルシューズに多く見られた装飾でありながら、フォーマル感と洒落感を併せ持つため、ビジネスカジュアルからクラシックスタイルまで幅広いコーディネートに対応できます。メンズを中心に人気が高い一方、近年ではレディスにも展開が広がり、ジェンダーレスなアクセントとしても注目されています。
タッセル付きシューズの起源と語源
タッセル付きシューズの「タッセル(tassel)」とは、糸や紐を束ねて装飾的に仕上げた飾り房を意味する英語です。フランス語では'Pampilles'(パンピーユ)と呼ばれ、伝統的にカーテンや衣服、装身具などに用いられる装飾でした。
この装飾がシューズに取り入れられるようになったのは20世紀半ばとされており、特にアメリカのシューメーカー「Alden(オールデン)」が1940年代に開発したタッセルローファーがその起源とされています。俳優ポール・ルーカスの依頼により製作されたとされるこのデザインは、上品でクラシカルな雰囲気を持ち、瞬く間に人気を博しました。
デザインの特徴とバリエーション
タッセル付きシューズは、主にローファータイプの革靴にタッセルが縫い付けられているのが一般的です。タッセルは装飾であると同時に、足元に華やかさと個性を与えるアクセントとして機能します。装飾としての主張はありつつも過度ではなく、程よい品格と遊び心を兼ね備えているため、ドレッシーな印象を崩さずに履けるのが魅力です。
素材には主にカーフレザーやスエードが用いられ、カラー展開も黒、茶、バーガンディなどクラシックな色合いが主流です。近年では、モダンなスタイリングに合うよう、シンプルでシャープなフォルムや軽量素材を用いたタイプも登場し、レザー以外の生地やカラフルなバリエーションも増えています。
現代における使われ方とファッションとの関係
タッセル付きシューズは、ビジネスカジュアルやトラッドスタイルにおける定番アイテムとしての地位を確立しています。スーツに合わせれば品格を保ちつつ、かっちりしすぎない柔らかさをプラスでき、チノパンやデニムと合わせても上品な大人カジュアルに仕上がるため、汎用性の高いアイテムといえます。
レディスファッションでも近年注目を集めており、マニッシュなスタイルの一環としてタッセルローファーを取り入れるコーディネートが人気です。オーバーサイズのジャケットやストレートパンツと合わせたスタイルなど、ジェンダーレスな感覚で楽しめる点も現代的な要素といえます。
また、環境配慮が進む中で、ヴィーガンレザーを使用したエコなタッセルシューズも登場しており、サステナブルファッションの一部として注目されています。
まとめ
アパレル業界におけるタッセル付きシューズとは、飾り房をあしらった装飾性のあるシューズで、特にローファーに多く見られるデザインです。その歴史は20世紀半ばにアメリカで始まり、現在ではクラシックでありながらトレンド性も持つアイテムとして男女問わず広く支持されています。デザイン性、実用性、スタイリングの柔軟性を兼ね備え、今後もさまざまなファッションシーンで活躍が期待される一足です。