ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【ツータックパンツ】

アパレル業界におけるツータックパンツとは?

アパレル業界の分野におけるツータックパンツ(つーたっくぱんつ、Two-Tuck Pants、Pantalon ? deux pinces)とは、フロント部分に2本のタック(プリーツ)を施したパンツのことを指します。タックにより腰回りにゆとりが生まれ、動きやすさや快適さが増すことから、特にビジネスウェアやクラシックスタイルで広く用いられてきました。近年ではリラックス感と上品さを兼ね備えたアイテムとして、モードやカジュアルファッションでも再評価されています。



ツータックパンツの歴史と由来

タックパンツの起源は、19世紀末から20世紀初頭の紳士服文化にまでさかのぼります。もともとタック(pleat)は、立体的な裁断で着用時の快適さを向上させるために用いられた技法で、英国を中心に広がっていきました。ツータックとは、フロントに左右2本ずつ、計4本のタックが入った仕様を指し、特に1930?50年代のクラシックメンズスーツに多く採用されていました。

このデザインは、活動性を保ちつつ、スーツの上品なシルエットを維持するために重要な要素でした。特に欧米のビジネスマンの間で長年愛用され、日本においても戦後のスーツスタイルの普及とともに定番のパンツスタイルとして根付いていきました。



ツータックパンツの特徴とディテール

ツータックパンツの最大の特徴は、腰回りに施された2本のタックによって生まれる立体感と可動性です。タックがあることでウエストからヒップにかけて余裕ができ、座ったときや歩行時のストレスを軽減します。また、この構造によりパンツ全体にクラシックな印象が加わり、落ち着いた大人のスタイリングに適しています。

生地はウールやコットン、ポリエステルなど多岐にわたり、用途に応じてフォーマルからカジュアルまで幅広く展開されます。シルエットもテーパード型、ストレート型、ワイド型など様々で、現代ではややゆったりとしたモダンなフォルムが主流となっています。



現代におけるツータックパンツの使われ方

近年のアパレル業界では、リラックス感とトラッドな印象を同時に備えたツータックパンツが注目を集めています。特に30代以降の男性を中心に、ビジネスシーンにおけるジャケパンスタイルや、カジュアルなセットアップなどに採用されることが多くなりました。

また、レディースファッションにおいても、ワイドシルエットのトレンドと相まってツータックデザインのパンツが人気を博しています。Tシャツやブラウスと合わせたミックススタイルにも適しており、きちんと感とこなれ感を演出できるアイテムとして支持されています。

さらに、サステナブル素材を使ったエシカルなツータックパンツや、イージーパンツ仕様のアイテムなども登場しており、機能性とファッション性を両立させた進化形も多く見られます。



まとめ

アパレル業界におけるツータックパンツとは、腰元に2本のタックを持つことで動きやすさと洗練された印象を両立したパンツのことです。古典的な紳士服にルーツを持ちながらも、現代のファッションシーンにおいてはユニセックスでの展開やカジュアルへの応用など、多様なスタイルで活用されています。快適さとデザイン性の融合が求められる今、ツータックパンツは再び脚光を浴びています。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス