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アパレル業界におけるツヤ感素材とは?

アパレル業界の分野における>ツヤ感素材(つやかんそざい、Glossy Fabric、Tissu brillant)とは、表面に光沢があり、光を受けて輝くような質感を持つ素材の総称を指します。サテン、シルク、ラメ、エナメル、シャイニー加工ポリエステルなどが代表的で、ドレスやブラウス、バッグ、シューズなどさまざまなアイテムに使用されます。視覚的な高級感や洗練された印象を与えるため、パーティーシーンやトレンドファッションにおいて重宝される素材群です。



ツヤ感素材の歴史と語源

ツヤ感素材の歴史は古く、紀元前のエジプト文明や中国の漢代などにまで遡ります。当時から光沢のある絹織物は高貴な階級の象徴とされ、王族や貴族の衣装として使われてきました。光を反射する性質のある素材は、視覚的な魅力とともに社会的地位を象徴する要素としても機能していたのです。

中世ヨーロッパでは、ヴェネツィアやリヨンなどの織物産業が発展し、シルクやサテンといったツヤ感素材が宮廷服に用いられるようになります。ルネサンス期には、装飾性の高い衣装に欠かせない要素として、貴族文化に浸透しました。

産業革命以降、人工繊維の発展により、シルクライクな光沢感を持つ素材が一般層にも普及します。ポリエステルやナイロンなどをベースに、特殊な加工(ラミネート加工、シャイニング加工)を施すことで、安価で美しい光沢を実現したツヤ感素材が登場し、現代のファッションに広く使用されるようになりました。



ツヤ感素材の特徴と種類

ツヤ感素材の最大の特徴は、光を反射して輝く表面にあります。これにより、コーディネート全体に動きと立体感、そして華やかさを与えることができます。また、肌触りがなめらかなものも多く、着心地の面でも評価されています。

代表的なツヤ感素材には以下のような種類があります:

  • サテン(Satin):絹や合成繊維で織られた、なめらかで上品な光沢が特徴の織物。
  • シルク(Silk):天然繊維の中で最も美しい光沢を持つとされ、高級素材として知られる。
  • ラメ(Lame):金属糸を織り込んだ、きらびやかな表情を持つ素材。
  • エナメル(Enamel):人工皮革などの表面に光沢コーティングを施したもの。バッグや靴によく使われる。
  • グロッシーポリエステル:化学的加工でツヤを強調したポリエステル素材。

これらの素材はそれぞれ異なる表情を持ち、組み合わせ方によってラグジュアリー、フェミニン、スポーティなど、幅広いスタイリングに応用できます。



現代におけるツヤ感素材の使われ方

ツヤ感素材は、フォーマルシーンやイベント、パーティーシーンで頻繁に使用されるだけでなく、近年はカジュアルファッションにも取り入れられる傾向にあります。たとえば、サテン素材のスカートをスウェットやTシャツと合わせることで、抜け感と上品さを同時に演出するスタイルが人気です。

また、Y2Kファッションや2000年代のリバイバルにより、グロッシーなジャケットやパンツ、エナメル風の小物などが若年層の間で注目されています。スポーツウェアの分野でも、シャイニーナイロンなどのツヤ素材が用いられることが増えており、機能性とファッション性を両立させるデザインが求められています。

さらに、照明に反応して映えるため、ステージ衣装や広告、映像作品においても重宝される素材です。視覚的に目を引きやすいという性質を活かし、PRやブランディングの文脈でも活躍しています。



まとめ

ツヤ感素材は、視覚的な輝きと高級感をもたらすファブリックであり、アパレル業界では時代を問わず重宝されてきました。古代の絹から現代の合成繊維に至るまで、素材技術の発展とともに進化を遂げており、フォーマルからストリート、さらにはエコ素材まで、多彩な展開を見せています。その光沢が生む表情は、ファッション表現の重要な要素として、今後も多くの場面で活用されるでしょう。

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