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アパレル業界におけるテーマカラーとは?

アパレル業界の分野におけるテーマカラー(てーまからー、Theme Color、Couleur th?matique)とは、シーズンごとのブランドやコレクションが一貫性やコンセプトを表現するために主軸として設定する色のことです。ファッションショーやルックブック、商品展開などにおいて多用され、全体の世界観を伝える役割を担います。消費者に強く印象を残す視覚的要素であり、トレンドや文化、気分を反映する重要な要素として各ブランドが戦略的に選定しています。



テーマカラーの語源と歴史的背景

テーマカラーという言葉は、英語の'theme color'に由来し、「主題的な色」「コンセプトを象徴する色」として用いられます。フランス語では'couleur th?matique'と呼ばれ、視覚的メッセージ性を持つ色彩戦略の一環として、デザイン業界やマーケティング分野でも広く浸透しています。

この概念がアパレル業界で本格的に使われ始めたのは、20世紀中盤以降、オートクチュールとプレタポルテのファッションショーが広く行われるようになってからです。各ブランドがコレクションに物語性や統一感を持たせるため、特定の色をシーズンの視覚的な主軸として設定する手法が定着しました。また、色彩心理学や社会情勢を反映する形でテーマカラーが選ばれることもあり、ファッションは時代の空気を色で表現する手段ともなりました。



テーマカラーの決定と使われ方

テーマカラーは、多くの場合デザイナーやアートディレクターが、コレクションのテーマや時代性、ブランドの方向性を総合的に判断して決定します。近年では、国際的なカラー研究機関(たとえばPantone社など)が毎年発表する「トレンドカラー」も参考にされます。

この色は、服やアクセサリーだけでなく、ショーの照明、音楽、背景、ショップのディスプレイにまで反映されることがあります。ブランドが打ち出すテーマカラーが明確であることで、統一感ある世界観が生まれ、消費者にブランドの方向性や個性が伝わりやすくなります。また、SNSや広告でもテーマカラーがビジュアルの中心になることで、シーズンごとの印象づけに大きく貢献します。



現代ファッションにおけるテーマカラーの意義

現代のアパレル業界では、テーマカラーは単なる装飾的な要素ではなく、ブランド戦略やマーケティングの核となる存在です。たとえば、サステナブルやジェンダーレスといった社会的価値観を表現する色(グリーンやベージュ、モノトーン)をテーマカラーに据えることで、ブランドの思想や立ち位置を明確に示すことが可能です。

また、ブランド間でテーマカラーが競合することもあり、いかに独自性を出すかが重要な要素となっています。デジタル上での表現も重視される現代においては、バーチャルファッションやオンライン展示会でもテーマカラーの一貫性が重要視されるようになっています。つまり、ブランドのアイデンティティを色で体現する時代に突入しているといえます。



まとめ

アパレル業界におけるテーマカラーとは、シーズンやコレクションごとに設定される、視覚的な主軸となる色であり、ブランドのコンセプトや世界観を象徴する要素です。色彩は時代や社会を映す鏡としても機能し、視覚的メッセージ性を高めるための重要なツールです。テーマカラーはファッションの表現手段として、またマーケティング戦略として、今後も不可欠な存在であり続けるでしょう。

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