アパレル業界におけるナイロンとは?

アパレル業界の分野におけるナイロン(ないろん、Nylon、Nylon)とは、1930年代にアメリカのデュポン社によって開発された合成繊維の一種であり、高い耐久性と軽量性、速乾性に優れた特性を持つ素材です。登場当初はストッキングに用いられたことから脚光を浴び、現在ではアウターウェア、スポーツウェア、バッグなど様々なアパレル製品に幅広く利用されています。工業的に大量生産が可能でありながら、機能性と快適性を兼ね備えた高性能素材です。



ナイロンの語源と歴史的背景

ナイロンは、1935年にアメリカの化学会社デュポン(DuPont)社の研究者ウォレス・カロザースによって開発された最初の合成繊維です。当初は「ナイロン6,6」として知られ、石油化学原料から合成されたポリアミド系の繊維として製造されました。

ナイロンという名称にはいくつかの説がありますが、ニューヨーク(New York)とロンドン(London)の頭文字を組み合わせたという説が広く知られています。1939年のニューヨーク万博で初めて女性用ストッキングとして登場し、「奇跡の繊維」と呼ばれ一躍注目を集めました。



ナイロンの特性と用途

ナイロンは非常に強度が高く、軽量で、摩耗や引き裂きに強いという特徴を持っています。また、水分をほとんど吸収せず、速乾性と防風性に優れていることから、アウトドアウェアやスポーツウェア、レインコートなどに広く用いられています。

熱に対してはやや弱い性質を持ちますが、染色性が高く発色も美しいため、機能性とファッション性の両立が可能です。伸縮性に富むナイロン素材は、ストレッチ加工や混紡によってさらなる柔軟性を持たせることもでき、ボディラインにフィットするスポーツウェアや下着などにも多く採用されています。

また、ナイロンは繊維としてだけでなく、リュックサックやトートバッグ、傘、靴のアッパー素材などにも使われ、日常生活に欠かせない素材となっています。



ナイロンの進化と現代の活用

近年では、リサイクルナイロン(リジェネレイテッドナイロン)やバイオベースナイロンといった、環境に配慮した新素材の開発も進んでいます。漁網や工場廃棄物を再利用して作られるリサイクルナイロンは、サステナブルファッションの分野で特に注目されています。

さらに、ナイロン素材はファッションの分野においてもその汎用性が高く、スポーティーなストリートファッションやミリタリースタイルのアイテム、テクニカルウェアなどにも取り入れられています。撥水性や防汚性を加えた高機能ナイロンも登場しており、高性能なデイリーユース素材としての存在感を増しています。

その一方で、ナイロンの生産には石油資源が使われるため、環境への配慮が課題とされています。そのため、企業やブランドは再生素材の活用や生産プロセスの見直しに取り組み、サステナビリティと快適性を両立させる方向に進化しています。



まとめ

アパレル業界におけるナイロンとは、1930年代に誕生した高性能な合成繊維であり、軽量・高強度・速乾といった特徴により幅広い用途で使用されている素材です。登場以来、ファッションと機能性を融合させる素材として進化し続け、現在では環境負荷の少ないリサイクルナイロンなども登場するなど、未来志向のマテリアルとしても注目を集めています。

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