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アパレル業界におけるナチュラルカラーとは?

アパレル業界の分野におけるナチュラルカラー(なちゅらるからー、Natural Color、Couleur naturelle)とは、自然界に存在する色合いを模した落ち着きのある色調のことで、ベージュや生成り、アイボリー、カーキ、ブラウンなどが代表的です。これらは派手さを抑えつつも素材本来の質感を引き立て、肌なじみが良いため多くのファッションアイテムに用いられます。ナチュラルな雰囲気を醸し出すことで、リラックス感や温かみを演出し、近年はサステナブル志向の高まりとともに注目が集まっています。



ナチュラルカラーの語源と歴史的背景

ナチュラルカラーは、英語の“natural”(自然な)と“color”(色)を組み合わせた言葉で、自然環境にある素材や風景から着想を得た色を指します。フランス語では“couleur naturelle”と表現され、人工的な加工を感じさせない、自然由来の色味として理解されています。

衣料においてナチュラルカラーが重視されるようになったのは、産業革命以降の染色技術の発展によって人工的なカラーが大量生産されるようになった一方で、素朴で温もりのある色への回帰が求められるようになったことに起因します。特に1970年代のヒッピームーブメントでは自然との共生がテーマとなり、ナチュラルカラーの衣服が多く登場しました。近年ではエコ・サステナビリティの観点からも、漂白や染色を極力抑えたナチュラルな色合いが再評価されています。



ナチュラルカラーの色調と素材との関係

ナチュラルカラーには、生成り(きなり)、ベージュ、サンド、カーキ、モカ、グレージュ、アイボリーなどの、彩度が低く明度も穏やかな中間色が多く含まれます。これらの色は特に天然繊維との相性が良く、リネンやコットン、ウールなどの自然素材を用いたアパレルにおいて多く見られます。

また、素材自体の色味を活かすことも多く、無染色や植物染料を使った自然な色合いが特徴です。そのため、ナチュラルカラーはファッションだけでなく、環境負荷を抑えた衣類としても注目されており、サステナブルファッションの分野で特に存在感を放っています。



現代ファッションにおけるナチュラルカラーの使われ方

現在のアパレル業界では、ナチュラルカラーはシーズンを問わず展開される定番の色調であり、特に春夏には軽やかさと通気性を演出するカラーとして、秋冬には温かみを感じさせる色として活用されています。

ナチュラルカラーのアイテムは、トップスやボトムスだけでなく、コートやバッグ、シューズなどにも及び、トータルコーディネートで統一感を出す際にも有効です。特に「ワントーンコーデ」や「レイヤードスタイル」においては、色の濃淡や素材感の違いを活かして奥行きのあるスタイリングが実現できます。

また、ジェンダーレスで取り入れやすい点も現代にマッチしており、ユニセックスファッションにおいても多く採用されています。さらには、ライフスタイル全般でナチュラル志向が高まる中、衣服においても「自然体でいられる色」として定着しつつあります。



まとめ

アパレル業界におけるナチュラルカラーとは、自然界に存在する色合いを取り入れた、穏やかで落ち着いた印象を持つ色調のことを指します。素材本来の色味や風合いを活かしたファッションは、リラックス感とともに環境への配慮も表現するスタイルとして注目を集めており、今後もサステナブルな価値観と共に広く支持されていくことが予想されます。

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