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アパレル業界におけるニードルパンチ加工とは?

アパレル業界の分野におけるニードルパンチ加工(にーどるぱんちかこう、Needle Punch Processing、Proc?d? de perforation ? l'aiguille)とは、針(ニードル)を高密度に繰り返し突き刺すことで繊維を絡めて不織布状に成形する加工方法のことです。織らずに生地を形成できるため、工業用フェルトやインソール素材、防音材などに用いられるほか、近年はアパレルやファッション雑貨の分野でも軽量で丈夫な素材として活用されています。再生繊維との相性が良いため、サステナブル素材としても注目されています。



ニードルパンチ加工の語源と歴史的背景

ニードルパンチ加工は、英語の“needle”(針)と“punch”(打つ、突く)を組み合わせた言葉で、無数の針を使って繊維を機械的に圧縮・絡めて布状に成形する加工技術を指します。フランス語では“proc?d? de perforation ? l'aiguille”と呼ばれ、工業的用途として19世紀末には原型が登場し、20世紀中頃には商業的にも広く普及しました。

当初は自動車の内装材やフィルター、建築用の断熱材などの工業製品が中心でしたが、繊維の選定や加工技術の進歩により、柔軟性や風合いを生かしたファッション素材としても利用されるようになりました。特に合成繊維やウール、再生繊維との相性が良いため、コストパフォーマンスに優れた新素材開発にも寄与しています。



ニードルパンチ加工の構造と技術的特性

ニードルパンチ加工は、繊維の束(ウェブ)に針を多数貫通させ、物理的に繊維を絡ませて固定化する技術です。針には先端に細かいバーブ(かえし)があり、繊維を掻き込みながら複雑に絡ませていく仕組みになっています。

この加工により、織物や編物に比べて縦横の方向性が少なく、方向によらない均一な強度としなやかさを備えた生地が生成されます。接着剤や熱を使わないため、化学的な添加物を極力使わずに済む環境負荷の少ない方法としても評価されています。また、厚みや密度を調整することで、吸音性、断熱性、耐摩耗性など目的に応じた特性を持たせることが可能です。



アパレルにおけるニードルパンチ加工の活用

近年、ニードルパンチ加工はファッションやアパレル雑貨の分野にも進出しており、軽量で風合いが豊かな生地としての魅力が再発見されています。特にウールを用いたフェルト調の素材や、リサイクルポリエステルを活用した軽量バッグ、アウターの裏地などに多く用いられています。

この加工によって得られる生地は、縫製しやすく成型性にも優れているため、帽子やスリッパ、小物などの製品にも適しています。また、プリントや刺繍加工もしやすいため、アート性を取り入れた雑貨やファッションアイテムの土台素材としても使用されます。

さらに、自然由来の繊維と組み合わせることで、エコ素材としての価値も高まり、サステナブルファッションの文脈で積極的に取り入れられるようになっています。



まとめ

アパレル業界におけるニードルパンチ加工とは、繊維を機械的に絡ませることで生地を成形する技術であり、工業的な強度とファッション性を兼ね備えた素材開発に用いられています。再生繊維や無染色繊維と相性が良く、サステナブル素材の可能性を広げる手法として、今後の展開が期待されています。

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