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アパレル業界におけるヌバック素材とは?

アパレル業界の分野におけるヌバック素材(ぬばっくそざい、Nubuck Leather、Cuir nubuck)とは、牛革の表面を細かくサンドペーパーなどで削り、起毛させた高級感のある革素材を指します。スエードと似た見た目を持ちながらも、より滑らかで繊細な手触りが特徴で、シューズやバッグ、ジャケットなどの高級アパレル製品に多用されます。独特の風合いと柔らかさが魅力で、使い込むほどに味わいが増し、丁寧なケアによって長く愛用できる素材として人気があります。



ヌバック素材の語源と歴史的背景

ヌバック素材は、英語で“nubuck”、フランス語では“cuir nubuck”と呼ばれます。この語は、「新しい(new)」と「鹿革(buckskin)」を組み合わせた造語に由来し、元々は鹿革のような滑らかな質感を人工的に再現するために考案された素材です。

ヌバックの歴史は20世紀初頭にさかのぼり、北米のカウボーイ文化やワークウェアに由来すると言われています。当初は実用性を重視していたものの、その高級感のある見た目と柔らかな手触りから徐々にファッションアイテムとしても注目されるようになりました。スエードと混同されがちですが、ヌバックは革の表面(銀面)を起毛させることで、スエードよりも繊細で滑らかな質感を持ちます。



ヌバック素材の特徴と魅力

ヌバック素材の最大の特徴は、起毛された表面が生み出す上品なマット感と、しっとりとした手触りです。牛革の中でも銀面を使用しているため、革本来の耐久性を保ちつつ、上質な印象を与えます。表面の微細な起毛により、光の当たり具合で表情が変わるのも魅力のひとつです。

ただし、耐水性や防汚性にはやや劣るため、使用に際しては適切なケアが必要です。専用の防水スプレーやブラシを用いてお手入れを行うことで、美しい質感を長く保つことができます。カジュアルにもフォーマルにも対応できる柔軟性の高さも、ヌバックが愛される理由のひとつです。



現代ファッションにおけるヌバック素材の使われ方

現代のアパレル業界では、ヌバック素材は高級志向とナチュラルな風合いを兼ね備えた素材として、多様なアイテムに採用されています。特にレザーシューズやブーツでは、ヌバックの柔らかな印象が重厚さを和らげ、洗練されたカジュアルスタイルを演出します。

また、バッグやウォレット、ジャケットなどでもその風合いが生かされており、使い込むことで経年変化を楽しめることも魅力です。近年はサステナブル志向の高まりとともに、天然素材への回帰が進んでおり、合成皮革では味わえない本革ならではの質感を大切にするユーザーが増えています。



まとめ

アパレル業界におけるヌバック素材とは、牛革の銀面を起毛させた高級感と繊細な風合いを持つ革素材であり、シューズやバッグ、ジャケットなど幅広いアイテムに用いられています。丁寧なケアを通じて美しい風合いを維持できる点や、使い込むほどに増す味わいが魅力で、今後も上質さを求めるファッションの中で重要な素材のひとつであり続けるでしょう。

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