ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【ネルシャツ】

アパレル業界におけるネルシャツとは?

アパレル業界の分野におけるネルシャツ(ねるしゃつ、Flannel Shirt、Chemise en flanelle)とは、起毛加工が施された柔らかく保温性のあるフランネル生地で作られたシャツのことを指します。秋冬のカジュアルウェアとして定番アイテムであり、チェック柄を中心に多彩なデザインが存在します。肌触りの良さと温かみのある風合いが特徴で、アウトドアやストリート、アメカジなど様々なスタイルに対応する万能アイテムとして人気を博しています。



ネルシャツの語源と歴史的背景

ネルシャツは、「フランネルシャツ(flannel shirt)」の略称で、日本では「ネル」と呼ばれる起毛素材を使ったシャツ全般を指します。フランネルは、もともと18世紀のウェールズ(イギリス)で誕生した生地で、羊毛を細かく起毛させた柔らかい織物として知られ、寒冷な気候に適した素材として広まりました。

19世紀には綿素材でも同様の起毛加工が施されるようになり、労働者階級のワークウェアとして定着していきました。特にアメリカでは20世紀初頭からチェック柄のフランネルシャツが作業着として普及し、丈夫で暖かいことから林業や鉱業などで活躍。その後、1960年代以降のヒッピー文化や1990年代のグランジファッションの流行を経て、カジュアルファッションの中核的存在へと進化しました。



ネルシャツの特徴と素材感

ネルシャツは、綿やウール、あるいは混紡素材のフランネル生地を使用しており、表面を軽く起毛させることで、ふんわりとした質感優れた保温性を持ちます。特に綿フランネルは肌触りが良く、家庭での洗濯にも対応する手軽さが魅力です。

デザイン面では、クラシックなバッファローチェック(赤と黒の格子柄)をはじめ、さまざまなチェック柄や無地のモデルも展開されています。シルエットはオーバーサイズからスリムフィットまで多様で、重ね着にも適していることから、秋冬のレイヤードスタイルには欠かせないアイテムです。



現代ファッションにおけるネルシャツの使われ方

現代のアパレル業界では、ネルシャツはシーズンレスで展開される定番商品として、さまざまなブランドが独自の解釈で発表しています。特にアメカジスタイルやストリートファッションにおいては、ヴィンテージ感やラフな印象を強調するアイテムとして親しまれています。

近年では、ユニセックス展開やジェンダーレスファッションの広がりにより、男女問わず着用される傾向が強まっており、ワンピースやシャツワンピとしてデザインされることもあります。また、素材開発が進み、軽量で保温性の高い高機能素材との組み合わせも増えており、アウトドアブランドからも多数リリースされています。

加えて、ネルシャツはレイヤードスタイルのアクセントとして、シャツとしてだけでなく、羽織ものや腰巻きのアクセントとして使われることも多く、その汎用性の高さも現代における魅力の一因です。



まとめ

アパレル業界におけるネルシャツとは、起毛加工された柔らかなフランネル生地で作られたシャツのことであり、保温性と着心地の良さから秋冬の定番アイテムとして高い人気を誇ります。歴史的には労働着から始まり、カジュアルファッションやサブカルチャーの象徴として発展し、現在ではスタイルやシーンを問わず幅広く活用されるユーティリティアイテムとして、アパレルシーンでの地位を確立しています。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス