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アパレル業界におけるノーアイロン素材とは?

アパレル業界の分野におけるノーアイロン素材(のーあいろんそざい、No-Iron Fabric、Tissu sans repassage)とは、洗濯後にシワがつきにくく、アイロンがけを必要としない加工が施された繊維や生地のことを指します。ビジネスシャツやブラウス、制服、ホームウェアなど、日常的に着用頻度が高い衣類に多く使用されており、手入れの簡便さと時短効果が評価されています。特に多忙な現代人や共働き家庭、出張の多いビジネスマンを中心に広く支持されています。



ノーアイロン素材の語源と開発の背景

ノーアイロン素材は、英語の“no-iron”(アイロン不要)という表現に由来し、そのままアイロンがけを省略できる機能性素材を意味します。フランス語では“tissu sans repassage”といい、直訳すると「アイロン不要の布地」となります。これらは、衣類のメンテナンスを簡素化するために開発された技術です。

本格的に普及し始めたのは1950年代以降で、合成繊維の発展とともに、家庭での家事負担軽減を目的にアメリカで開発が進められました。特にコットンに樹脂加工を施すことで、シワを抑える効果が得られ、イージーケア素材として注目されるようになりました。その後、日本やヨーロッパでも類似技術が導入され、現在では多くの衣類に応用されています。



ノーアイロン素材の仕組みと種類

ノーアイロン素材は、主にポリエステルやナイロンなどの合成繊維、またはコットンなど天然素材に特殊な加工を施したものが多く見られます。代表的な加工技術には以下のようなものがあります:

  • 樹脂による形状記憶加工
  • 熱処理によるシワ防止加工
  • 糸や織り方自体の工夫による防シワ構造

特にビジネスシャツでは、綿100%でありながらノーアイロンを実現する高機能商品も存在し、見た目の自然さと機能性を両立させています。洗濯後は軽くシワを伸ばして干すだけで、そのまま着用できるという手軽さが魅力です。



現代ファッションにおけるノーアイロン素材の役割

現在のアパレル業界では、ノーアイロン素材はビジネスウェアをはじめ、カジュアルウェアや制服、子供服、パジャマなど幅広いジャンルで採用されています。特にコロナ禍以降はリモートワークの普及により、自宅での快適さと身だしなみを両立できる衣類への需要が高まり、ノーアイロン素材を用いたアイテムの注目度が上昇しました。

さらに、環境配慮の観点からも注目されており、アイロンが不要であることは電力消費の削減にもつながります。サステナブルな生活スタイルと両立しやすい素材として評価され、企業のエコ商品ラインにも採用されることが増えています。



まとめ

アパレル業界におけるノーアイロン素材とは、日常生活の利便性を高める高機能素材の一種であり、衣類のシワを防ぎ、手間のかからないケアを可能にする革新的な技術です。その実用性と環境面でのメリットから、今後もさらなる技術革新と需要拡大が期待されています。

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