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アパレル業界におけるノンウォッシュデニムとは?

アパレル業界の分野におけるノンウォッシュデニム(のんうぉっしゅでにむ、Non-Wash Denim、Denim brut)とは、製造後に一切の洗いや加工が施されていない、生地本来の風合いを残したデニム生地を指します。染色されたままのインディゴの深みを持ち、着用者の体型や生活に応じて自然なエイジングが現れるのが特徴です。洗い加工を行っていない分、生地が硬めでハリがあり、ジーンズ愛好家やヴィンテージ志向のスタイルにおいて特に高く評価されています。



ノンウォッシュデニムの語源と歴史的背景

ノンウォッシュデニムは、英語で“non-wash”(洗っていない)という意味と“denim”(デニム生地)を組み合わせた言葉であり、フランス語では“denim brut”と呼ばれ、直訳すると「粗削りのデニム」という意味になります。元々は19世紀にアメリカの労働者階級向けに作られた丈夫な作業着から始まり、その生地が未加工のままであったことに由来します。

インディゴ染めされたデニム生地は、そのままでは硬く、色移りしやすいものの、耐久性に優れた素材として重宝されてきました。1970年代?1980年代には洗い加工を施したソフトなジーンズが主流になりましたが、1990年代以降はあえて加工を施さないノンウォッシュタイプが、素材そのものの魅力を楽しむスタイルとして再注目されるようになりました。



ノンウォッシュデニムの特徴と取り扱い

ノンウォッシュデニムの最大の特徴は、穿き込むことで自分だけの色落ち(フェード)が生まれる点にあります。生地が硬めで体になじみにくいため、穿き始めは窮屈に感じられることもありますが、時間をかけて着用することで、膝や腰などの動きのある部分に自然な色落ちが現れ、一点物のような味わいが形成されていきます。

一方で、染料が落ちやすく、他の衣類や家具に色移りする可能性があるため、最初の数回は単独で着用することが推奨されます。また、洗濯による縮みが大きいことから、サイズ選びにも注意が必要です。「生デニム」や「リジッドデニム」とも呼ばれ、特にヴィンテージデニムの世界では価値のある素材とされています。



現代ファッションにおけるノンウォッシュデニムの使われ方

現代のアパレル市場では、ノンウォッシュデニムはヴィンテージ志向やサステナブルファッションへの関心の高まりとともに再評価されています。加工を施さないことにより、水や薬品の使用量を抑えた製造が可能となるため、環境負荷の少ない素材としても注目を浴びています。

また、硬めの質感がモードな印象を与えるため、シャープなシルエットを重視するファッションブランドでも取り入れられており、ジーンズだけでなくジャケットやスカートなど幅広いアイテムに応用されています。着る人のライフスタイルを映し出すように変化する点も、個性の表現としてのファッションにマッチしています。



まとめ

アパレル業界におけるノンウォッシュデニムとは、洗いや加工を施さず、生地本来の特性を活かしたデニム素材を指します。長く着用することで独自の色落ちが生まれ、個性的な表情を持つアイテムへと成長していくその過程は、ファッションを楽しむうえでの魅力の一つといえます。機能性と表現性の両面から、今後も注目され続ける素材です。

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