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アパレル業界におけるピーター・パンカラーとは?

アパレル業界の分野におけるピーター・パンカラー(ぴーたー・ぱんからー、Peter Pan Collar、Col Claudine)とは、小さく丸みを帯びた襟のデザインを指します。子ども服やヴィンテージファッションに多く見られ、可憐でクラシカルな印象を与える装飾的な襟型のひとつです。女性用ブラウスやワンピースなどで多く採用され、フェミニンでノスタルジックな雰囲気を演出するためのディテールとして広く用いられています。



ピーター・パンカラーの語源と由来

ピーター・パンカラーの名称は、1905年に初演された舞台『ピーター・パン』の主人公を演じた女優モード・アダムズが着用していた衣装の襟に由来します。この衣装の襟が丸く、コンパクトで愛らしいデザインだったことから、以降このスタイルの襟が「ピーター・パンカラー」と呼ばれるようになりました。

ただし、舞台衣装の実際の襟は現在のピーター・パンカラーとはやや異なっていたともいわれ、現在私たちが認識するピーター・パンカラーの原型は、20世紀初頭にフランスのファッションデザイナーによって広められた「コル・クロディーヌ(Col Claudine)」に近いスタイルであるとされています。



ピーター・パンカラーの特徴と構造

ピーター・パンカラーの最大の特徴は、襟先が尖っておらず、丸く柔らかいラインで縁取られている点です。一般的に小ぶりなサイズ感で、襟自体は肩まで広がらず、首まわりに沿って密着するように設計されています。

また、スタンドカラーのように立ち上がる部分はなく、フラットで滑らかなラインが続くのが基本です。素材には、服地と同じ布を使う場合もあれば、異素材やレース、刺繍を施してアクセントにする場合もあります。着脱可能な付け襟タイプのアイテムも多く見られ、コーディネートのアクセントとして活用されています。



ピーター・パンカラーの歴史的展開と現代の使われ方

1900年代初頭からヨーロッパやアメリカで子ども服の定番デザインとして人気を集めたピーター・パンカラーは、やがてレディースファッションにも取り入れられ、特に1950年代?1960年代にかけて一世を風靡しました。クラシカルで上品な印象を持ち、控えめながら女性らしさを強調するデザインとして、フォーマルウェアやデイリーブラウスの装飾として重宝されました。

近年では、ノスタルジックなムードが注目される中で、ヴィンテージ風デザインやガーリースタイルを中心に再評価されており、モダンな解釈によるピーター・パンカラーも数多く登場しています。例えば、襟部分に配色や異素材を取り入れたり、オーバーサイズ化することでカジュアルな印象を与えるアイテムなど、幅広いバリエーションが見られます。

また、Z世代を中心に注目を集める韓国ファッションやヨーロピアンスタイルの中でも、可憐さとレトロ感を演出するディテールとして採用されており、性別を問わずユニセックスなファッションアイテムの一部としても活用されています。



まとめ

アパレル業界におけるピーター・パンカラーとは、丸く愛らしい形状をした小ぶりな襟であり、子ども服からレディースファッションまで幅広く用いられる装飾的なデザイン要素です。舞台『ピーター・パン』の衣装に由来し、20世紀初頭から人気を集めてきたこのデザインは、現代でもヴィンテージスタイルやガーリーファッションの一部として進化し続けています。

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