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アパレル業界におけるプルオーバーとは?

アパレル業界の分野におけるプルオーバー(ぷるおーばー、Pullover、Pull-over)は、頭からかぶって着るタイプの衣類を指す総称であり、主にセーターやスウェット、カットソー、パーカーなどがこれに該当します。前開きのボタンやファスナーがなく、かぶる構造が特徴で、機能性と快適性を両立させるアイテムとして日常着やカジュアルウェアに広く浸透しています。仏語表記はPull-over(ピュルオヴェール)です。

プルオーバーの定義と基本構造

プルオーバーとは、「プル(pull=引く)」「オーバー(over=上に)」という語源からなる英語で、「上から引っかぶって着る服」を意味します。前開きの仕様がなく、頭からかぶるスタイルで着用するトップス全般を指し、シャツやジャケットのようなボタン式やジップ式のアウターとは異なるカテゴリーに分類されます。

代表的なプルオーバーには、セーター、スウェット、フーディー、カットソーなどがあり、近年ではトレンドに応じてシルエットや素材、丈感も多様化しています。締め付けが少なく着心地が良いため、リラックス感のある装いに適したデザインとして、年齢や性別を問わず幅広く支持されています。

言葉の由来と歴史的背景

プルオーバーという用語は、英語圏では19世紀末から使われはじめましたが、実際の着用文化としては古代のチュニックやポンチョにまでさかのぼることができます。現代的な意味でのプルオーバー型トップスが普及したのは、20世紀に入ってからです。特に1920?30年代、ニット素材の技術が進化したことで、伸縮性に優れたウールやコットンのプルオーバーセーターが大衆化し、アスリートの防寒着や学生のカジュアルウェアとして定着しました。

第二次世界大戦後は、アメリカンカジュアルの発展により、スウェットシャツやフーディー型のプルオーバーが若者文化に根付いていきました。その後、1960?70年代のヒッピーやロックスタイル、1980?90年代のストリートファッションの中でも、プルオーバーは自由な表現と共に存在し続けてきました。

現代の使われ方とスタイル展開

今日のファッションにおいて、プルオーバーは機能性とスタイルの両面で重宝されるアイテムです。特にスウェット素材を用いたオーバーサイズのプルオーバーは、ジェンダーレスかつトレンド感のある装いとして人気が高く、シンプルながらもスタイリングの主役として活躍します。

さらに、フォーマルやビジネスカジュアルに対応するような、上質な素材で仕立てたミニマルなプルオーバーも登場し、TPOに応じて選べる幅広さが魅力となっています。夏場には薄手のコットンプルオーバーやリネン素材、冬場には厚手のニットやフリースが用いられるなど、季節性にも適応しています。

プルオーバーと他のトップスの違い

シャツやカーディガン、ジップアップパーカーとの違いは、前開きがなく、かぶる仕様であるという一点に集約されます。これにより、着脱がやや手間になることもありますが、縫製が簡略化されることでコスト面で有利となり、身体にフィットしたすっきりとしたシルエットが実現しやすいという利点もあります。

また、裾や袖口にリブをあしらったデザインが多く、これにより風の侵入を防ぎ、保温性を高める効果もあります。デザイン面でも、胸元や背面にプリントや刺繍を施すことでブランドアイデンティティを表現する場にもなっています。

まとめ

アパレル業界におけるプルオーバーは、かぶって着る構造を持つトップスの総称であり、セーターやスウェットなど幅広いアイテムに用いられる言葉です。その歴史は古く、カジュアルからフォーマルまで様々なシーンで活用され、快適性とスタイルの融合を実現するファッションの定番アイテムとなっています。

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