ビジプリ > アパレル業界用語辞典 > 【マット素材】

アパレル業界におけるマット素材とは?

アパレル業界の分野におけるマット素材(まっとそざい、Matte Material、Mati?re mate)とは、光沢を抑えた質感を特徴とする素材を指します。反射の少ない表面は落ち着きと上品さを演出し、モード系やナチュラル系のファッションによく用いられます。マット素材は、コットン、ポリエステル、ナイロン、ウール、合成繊維などさまざまな素材で加工可能で、視覚的な柔らかさと洗練された印象を持つため、シーズンや性別を問わず幅広く活用されています。

マット素材の定義と特徴

マット素材とは、光沢やツヤを極力抑えた表面仕上げを持つ生地や繊維を指します。マット(matte)という言葉は英語由来で、「艶消し」や「光を反射しない」ことを意味します。アパレルにおいては、表面が滑らかでありながらもテカリのない控えめな質感を持つため、落ち着いた大人の印象を演出する素材として重宝されています。

その質感は、視覚的な柔らかさや温もりを感じさせ、フォーマルなアイテムからカジュアルな日常着まで幅広く応用可能です。とりわけ、無駄な装飾を排したミニマルなデザインとの相性が良く、近年のシンプル志向やサステナブルファッションの流れにも合致する存在です。

言葉の由来と歴史的背景

「マット(matte)」という言葉の語源は、フランス語の「mat(マット)」に由来しており、「鈍い」「くすんだ」という意味を持ちます。これが英語圏に取り入れられ、現在の「艶のない、光沢を抑えた仕上げ」を表す形容詞として定着しました。

アパレルにおけるマット素材の使用は、古くからウールやコットンなど自然素材を中心に見られましたが、産業革命以降は化学繊維の登場により、より均一かつ高性能なマット質感の素材が可能となりました。とくに20世紀後半以降、スポーツウェアやモードファッションの分野で注目され、デザイナーたちによって積極的に取り入れられるようになりました。

現代の使われ方とバリエーション

現在のファッション市場では、マット素材はその落ち着いた雰囲気と汎用性の高さから、あらゆるアイテムに用いられています。たとえば、マット加工を施したポリエステル素材は、シワになりにくく上品な見た目を保ちつつ、機能性にも優れているため、ビジネスウェアやアウターに適しています。

また、ナイロンなどの合成繊維にマット加工を加えた素材は、アウトドアウェアやテック系ファッションで広く使われています。さらに、ウールやレーヨンなど天然由来の繊維でもマットな仕上げが可能であり、ナチュラル系・北欧スタイル・リネン調ファッションなどと好相性です。

光を吸収する特性により、シルエットやカッティングがより際立つという特徴も持っており、構築的なデザインやアバンギャルドなファッションにも適しています。こうした視覚的効果から、写真映えやSNS映えを狙ったスタイリングにも好まれる素材です。

まとめ

マット素材は、光沢を抑えた落ち着きのある表情が魅力の素材で、あらゆるファッションスタイルと調和する汎用性の高さが特徴です。古くからある技術を背景にしながら、現代の多様なライフスタイルに対応する実用性と審美性を兼ね備えており、今後もアパレル業界における重要な素材のひとつとしての地位を維持し続けると考えられます。

▶アパレル業界用語辞典TOPへ戻る

↑ページの上部へ戻る

ビジプリの印刷商品

ビジプリの関連サービス