アパレル業界におけるミリタリージャケットとは?
アパレル業界の分野におけるミリタリージャケット(みりたりーじゃけっと、Military Jacket、Veste militaire)とは、軍服を起源とするデザインを基にしたジャケットを指します。機能性と耐久性を重視したディテールや、ミリタリーカラー(カーキ・オリーブなど)を特徴とし、ファッションアイテムとしてはタフで無骨な印象を与えると同時に、現代ではユニセックスで着用されることが多く、スタイリングの幅広さから高い人気を誇っています。
ミリタリージャケットの定義と特徴
ミリタリージャケットは、主に陸軍や空軍などの軍隊で使用されていた実用的な上着のデザインを基に作られたカジュアルアウターの一種です。特徴的なディテールとしては、複数のポケット配置・厚手で丈夫な素材・肩章やエポレットなどの装飾が挙げられます。
カラーはカーキやオリーブ、ネイビーなどが定番で、近年ではファッション性を高めたブラックやホワイト、カモフラージュ柄などのバリエーションも多く登場しています。また、シルエットもオーバーサイズからタイトフィットまでさまざまで、性別問わず多くの人に愛用されています。
言葉の由来と歴史的背景
「ミリタリー」は英語の「military(軍の、軍事の)」に由来し、「ジャケット」は上着を意味する言葉です。元々は第一次世界大戦や第二次世界大戦中に兵士が着用していた制服や戦闘服がルーツであり、その後、退役兵や軍の余剰品(サープラス)が民間市場に流通したことでファッションとして広まりました。
特にアメリカ陸軍の「M-65フィールドジャケット」や「MA-1フライトジャケット」、イギリス軍の「DPMカモジャケット」などが有名で、機能美と無骨なデザインがアパレルデザイナーに多大な影響を与え、モードやストリートファッションに取り入れられるようになりました。
現代の使われ方とバリエーション
現代では、ミリタリージャケットは秋冬の定番アウターとして、また春先のライトアウターとしても人気です。機能的で耐久性の高いデザインはアウトドアやカジュアルスタイルとの相性がよく、日常使いに適しています。
近年のファッションでは、フェミニンなドレスやスカートと合わせて甘辛ミックスコーデを楽しむスタイルが流行しており、男性だけでなく女性にも愛用されるユニセックスアイテムとして定着しています。ブランドによっては、オーバーサイズのシルエットや装飾性を加えたデザインを提案し、よりモード感のあるミリタリースタイルが展開されています。
また、サステナブルファッションの潮流の中で、ヴィンテージの軍物ジャケットやリメイク品も注目されており、古着市場でも根強い人気を誇っています。
まとめ
ミリタリージャケットは、軍服に由来する機能性とデザイン性を兼ね備えたアウターとして、アパレル業界において長年にわたり重要なポジションを占めています。時代やトレンドの変化に応じて進化しつつも、無骨で実用的な魅力は変わらず、多様なスタイリングに取り入れられるファッションアイテムとして、今後も支持され続けることが期待されます。