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アパレル業界におけるメリヤス編みとは?

アパレル業界の分野におけるメリヤス編み(めりやすあみ、Jersey Knit、Tricot jersey)とは、表目と裏目を交互に編んで生地の片面にだけ表目が現れる構造を持つ編み方で、Tシャツや下着などによく使用される柔らかく伸縮性のあるニット素材です。「メリヤス」はもともとスペイン・ポルトガルのメリノ羊毛製品に由来し、日本では江戸時代から肌着や靴下の素材として親しまれてきました。現在でも日常着やカジュアルウェア、スポーツウェアに幅広く用いられ、快適な着心地を提供する基本的な編地のひとつです。

メリヤス編みの定義と特徴

メリヤス編みとは、編み物の基本形のひとつで、片面に表編み(天竺編みとも呼ばれる)だけが見える構造のニット生地を指します。表面は滑らかで平ら、裏面には裏目が現れ、表と裏で質感が異なるのが特徴です。

この編み方により、柔らかく伸縮性に富んだ生地ができるため、着心地がよく、肌に優しい風合いを持ちます。特にTシャツやインナーウェア、ベビー服など、肌に直接触れるアイテムに多く使われています。生地が比較的薄く、軽量で、ドレープ性にも優れているため、動きやすさとフィット感を重視する場面で重宝されています。

言葉の由来と歴史的背景

メリヤスという言葉は、スペイン・ポルトガルの「merino(メリノ)」に由来し、かつては高品質なメリノ羊毛の製品を指す語として日本に伝わりました。江戸時代には、オランダを通じて西洋の編物技術がもたらされ、「メリヤス」と呼ばれるようになり、肌着類の名称として定着しました。

明治時代に入り、機械編みによる生産が始まると、「メリヤス編み」はニットの代表的技法として工業製品にも広がっていきます。特に戦後は、国内繊維産業の復興とともに大量生産が可能になり、肌着やTシャツ、靴下などの日用品として日本人の生活に深く根付いていきました。

現代の使われ方とバリエーション

現在でも、メリヤス編みは最も基本的なニット素材としてアパレル業界で広く活用されています。特に、肌触りのよさと伸縮性を活かして、Tシャツ、パジャマ、ルームウェア、カジュアルドレスなどに多用されています。

また、メリヤス編みには単糸・双糸、綿やポリエステル、ウールなどさまざまな糸と素材が使用されており、その組み合わせによって厚みや風合い、機能性(吸湿速乾、抗菌加工など)が変化します。さらに、現代ではプリントや染色技術との組み合わせにより、ファッション性の高いデザインアイテムとしても展開されています。

最近ではサステナブルファッションの文脈において、オーガニックコットンのメリヤス素材や、リサイクルポリエステルを使用した製品も登場し、環境に配慮した選択肢としても注目されています。

まとめ

メリヤス編みは、滑らかな表面と優れた伸縮性を持つニット編地として、肌着からカジュアルウェアまで幅広く用いられる重要な技術です。その歴史は江戸時代にまで遡り、今日では素材や機能の多様化を通じて、日常生活に欠かせない存在となっています。アパレル業界では、ベーシックかつ応用範囲の広い編み技法として、今後も変わらぬ需要が見込まれています。

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