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アパレル業界におけるモード系ブランドとは?

アパレル業界の分野におけるモード系ブランド(もーどけいぶらんど、Mode Brand、Marque de mode)とは、ファッションにおいて高感度なトレンドや芸術性を取り入れた、前衛的で洗練されたスタイルを展開するブランドを指します。フランス語の「mode(モード)」は「流行」「ファッション」を意味し、その語源から派生したこのカテゴリは、独創性のあるデザインや革新的な表現で時代を牽引するブランド群を示します。多くはパリ・コレクションをはじめとするハイファッションの文脈に登場し、シンプルな装飾と構築的なシルエット、モノトーンカラーを基調とする美意識が特徴です。実用性よりもコンセプチュアルなデザインを重視し、感性と思想を表現するブランドが含まれます。

モード系ブランドの定義と特徴

モード系ブランドは、流行を先取りするだけでなく、ファッションそのものを芸術や思想としてとらえ、表現手段として用いるブランド群です。単なる衣服の提供ではなく、視覚的インパクトやコンセプト性に重きを置き、ショーやビジュアルによって強いメッセージ性を打ち出します。

特徴的なのは、ミニマルでありながら構築的なデザイン、非対称なカッティング、立体的なシルエットなどの要素です。色使いにおいても白・黒・グレーをベースとしたモノトーンが多く、時にはアバンギャルドなカラーや素材が挿入され、着る人の個性を際立たせます。

言葉の由来と歴史的背景

モードという語は、フランス語で「流行」や「様式」を意味し、19世紀末から20世紀初頭にかけてのパリ・オートクチュール文化において使われ始めました。この時代のパリは、世界のファッションの中心地とされ、シャネル、ランバン、ディオールといったブランドが先駆的な役割を担いました。

モード系という概念がより明確になったのは、1980年代?1990年代にかけてのことです。特に日本のデザイナー、川久保玲(コム・デ・ギャルソン)や山本耀司(ヨウジヤマモト)らがパリ・コレクションに登場し、「黒」を基調とした非対称で構築的なデザインを発表したことで、「モード=アート性を帯びた革新的なファッション」というイメージが世界的に浸透しました。

現代の使われ方と代表的なブランド

現代のモード系ブランドは、ハイブランドから新進気鋭のインディペンデントブランドまで多様化しており、それぞれ独自のコンセプトを展開しています。コレクションで注目を集める老舗ブランドとしては、バレンシアガ、リック・オウエンス、セリーヌ、メゾン マルジェラなどが挙げられ、モードの代表格とされています。

また、ストリート要素やサステナブルな視点を取り入れた「ネオモード」系ブランドも登場しており、アンダーカバー、サカイ、アクネ ストゥディオズなどは実用性とアート性の融合を体現しています。現代のモード系ブランドは、性別や年齢、ジャンルを超えて、自己表現と世界観の提示という点で共通した価値観を持っています。

まとめ

モード系ブランドとは、単なるトレンドにとどまらず、ファッションを通して時代や思想を提示する存在です。歴史的にはフランス語の「mode(流行)」に起源を持ち、ハイファッションと密接に関係しながら成長してきました。今日のファッションシーンにおいても、芸術性や革新性を重視するブランドが「モード系」として認知され、多様な個性と感性を表現する手段として高い注目を集めています。

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