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アパレル業界におけるラウンドネックとは?

アパレル業界の分野におけるラウンドネック(らうんどねっく、Round Neck、Col rond)とは、襟ぐりの形状が丸く、首まわりをなだらかに囲むように開いたデザインのことを指します。Tシャツやスウェットシャツ、ニットなど、カジュアルからフォーマルまで幅広いアイテムに採用されており、シンプルで着る人を選ばない万能なネックラインとして長年にわたり支持されています。首元が詰まりすぎず開きすぎない絶妙なバランスが特徴で、日常着としての快適性や汎用性の高さが魅力です。

ラウンドネックの定義と特徴

ラウンドネックとは、襟元が円を描くように丸く開いているネックラインのデザインで、「クルーネック」とも類似する形状です。首に沿って緩やかにフィットし、横から見たときにもラインが柔らかく、全体としてやさしい印象や親しみやすさを与えます。

このネックラインは、カジュアル・ベーシックなスタイルを象徴する存在であり、ジェンダーレスに展開されるTシャツやトレーナー、インナー類に多用されています。また、顔まわりの形を強調しすぎず、装飾の有無を問わずバランスの良い仕上がりになるため、さまざまな体型や年齢にフィットするデザインとしても重宝されています。

言葉の由来と歴史的背景

ラウンドネックという言葉は、英語の「round(丸い)」と「neck(襟、首まわり)」を組み合わせた表現で、服飾用語としては19世紀末頃から使われていました。20世紀初頭にかけて、アンダーウェアとして誕生したコットン製の丸首シャツが、やがてアメリカの軍用Tシャツやスポーツウェアに採用され、日常着としての普及が始まります。

戦後になると、この形状が定番化し、特に1950年代以降のアメリカンカジュアルの広がりとともに「クルーネック」の名称でも広く知られるようになりました。日本でも1970年代以降に登場したベーシックTシャツの代表的なスタイルとして定着し、「ラウンドネック」という呼称も浸透していきました。

現代の使われ方とバリエーション

現在、ラウンドネックは、ユニセックスな日常着としてはもちろん、ファッション性の高いアイテムにも多用されています。ニットやワンピース、ブラウスなどにも採用され、丸首という形状を活かしたアレンジが加えられることで、エレガントさや可愛らしさを演出するバリエーションも存在します。

また、ネックラインの開き具合によって印象が大きく変化するのも特徴で、浅めのラウンドネックは上品かつ端正な印象やや広めのラウンドネックはリラックス感や抜け感を生み出します。デザインや素材との組み合わせによって、カジュアルからビジネス、さらにはフォーマルまで対応可能な柔軟性が魅力です。

さらに、サステナブルファッションの文脈においても、飽きのこない普遍的な形であるラウンドネックは長く着られるデザインとして高く評価されており、多くのブランドで定番展開が続いています。

まとめ

ラウンドネックは、服飾デザインにおいて最も基本的でありながら、多様なシーンに応用できる汎用性の高いネックラインです。その歴史は長く、今なお現代のファッションの中心に存在し続けています。カジュアルなTシャツからフォーマルなドレスまで幅広く使われており、年齢や性別を問わず着る人を選ばない安定感は、今後も変わらず支持されていくでしょう。

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