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アパレル業界におけるリアルファーとは?

アパレル業界の分野におけるリアルファー(りあるふぁー、Real Fur、Fourrure v?ritable)とは、実際の動物の毛皮を用いた衣類・ファッションアイテムのことを指します。ミンク、フォックス、ラビット、チンチラなどの動物由来の毛皮が代表的であり、保温性と高級感に優れている点が大きな特徴です。一方で、動物福祉や倫理的な観点から、近年ではリアルファーの使用を控えるブランドも増加傾向にあり、フェイクファー(エコファー)との区別が重要視されています。

リアルファーの定義と特徴

リアルファーとは、動物の天然毛皮を使用した素材の総称であり、アウターウェア、ストール、バッグ、帽子などさまざまなアイテムに用いられます。自然由来の温かみと光沢、そして個体ごとの風合いは、人工素材では再現が難しいため、ラグジュアリーな印象を与えるアイテムとして長年重宝されてきました。

リアルファーには、柔らかさ、軽さ、高い保温性が求められ、その品質や仕上がりによって価格も大きく異なります。毛皮の手入れや保管には注意が必要であり、専門的なメンテナンスを要する点も特徴の一つです。

言葉の由来と歴史的背景

リアルファーという言葉は、対義語であるフェイクファー(人工毛皮)に対する区別として使われるようになりました。古代から人類は寒冷地において動物の毛皮を衣服に活用しており、生活必需品としての役割を果たしていました。

特にヨーロッパでは中世以降、王侯貴族のステータスシンボルとして毛皮が使用されるようになり、19世紀から20世紀にかけては、ファッション業界において高級素材としての地位を確立しました。しかし20世紀後半には、動物愛護団体による反対運動が活発化し、1980年代には毛皮製品の倫理的是非が世界的な議論となりました。

現代の使われ方と倫理的視点

近年ではリアルファーの使用について、倫理的・環境的視点から大きな変化が起きています。欧米を中心に、毛皮製品の販売禁止を法制化する地域が増え、ファーフリー宣言を掲げるラグジュアリーブランド(例:GUCCI、Chanel、Versaceなど)も増加しています。

一方で、リアルファーには自然素材としての美しさや耐久性という独自の魅力があるため、特定の顧客層では根強い人気も見られます。特に寒冷地の伝統衣装や高級フォーマルアイテムにおいては、文化的価値として尊重されるケースもあります。

また、持続可能な方法で飼育・採取された毛皮に限定して使用するブランドや、ヴィンテージファーとして再利用するスタイルも注目されています。こうした動きは、過去の資源を活かしながら新しい倫理観と調和させる試みといえます。

まとめ

リアルファーは、高級感と自然素材ならではの機能美を持つアパレル素材として長い歴史を持っていますが、現代における倫理・環境への配慮が不可欠となった今、その扱い方も大きく変化しています。ファッション業界では、リアルファーをめぐる価値観の多様化が進み、フェイクファーとの共存や選択の自由を尊重する動きが強まっています。今後は、サステナブルな視点を取り入れながら、リアルファーのあり方がさらに問われていくことでしょう。

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