アパレル業界におけるレギンスとは?
アパレル業界の分野におけるレギンス(れぎんす、Leggings、Leggings〈仏語も同綴〉)とは、主に伸縮性のある素材を使用し、脚にぴったりとフィットする細身のボトムスの一種を指します。もともとは防寒や運動用のアイテムとして使われていましたが、1980年代のエアロビブームをきっかけにファッションとしても一般化しました。現在ではアスレジャーやカジュアルウェアとして、年齢や性別を問わず幅広く着用されており、カラーや素材のバリエーションも豊富です。
レギンスの定義と基本的な特徴
レギンスとは、脚全体にぴったりとフィットするようにデザインされたボトムスであり、一般的には伸縮性のあるニット素材やスパンデックス(ポリウレタン)を含む生地が使用されます。足首まで覆うフルレングスのものが一般的ですが、七分丈や五分丈のバリエーションも存在します。
ウエストはゴム仕様であることが多く、動きやすさと履き心地の良さが魅力です。下着のように見えない程度の厚みを持ちつつも、ボディラインを美しく見せるアイテムとして、スポーツから日常のファッションまで幅広く活用されています。
レギンスの歴史と語源の由来
「レギンス」という言葉は英語の「leg(脚)」に由来しており、直訳すると「脚を覆うもの」という意味になります。もともと19世紀のヨーロッパでは、男女問わず乗馬や軍用に使用される脚カバーが「レギンス」と呼ばれていました。
その後、1970年代?80年代にかけてアメリカを中心にエアロビクスやダンスがブームとなり、フィットネス用アイテムとしてのレギンスが一般に普及します。カラフルなナイロンやライクラ製のレギンスが女性の間で流行し、レオタードと合わせるスタイルが象徴的でした。
1990年代以降の変遷と再評価
1990年代には一時的にその人気が低迷するも、2000年代中盤以降、チュニックやロングトップスと合わせるスタイルが登場し、再びファッションアイテムとして注目を集めました。2010年代には、アスレジャー(アスレチック+レジャー)という概念が浸透し、スポーツウェアとしてだけでなく、日常着としてのレギンスが確固たる地位を築きます。
特にヨガやランニングなど健康志向の高まりとともに、各スポーツブランドが高機能かつファッショナブルなレギンスを展開するようになり、素材やデザインの選択肢も飛躍的に増加しました。
現在の使われ方とバリエーション
現在では、レギンスはあらゆる場面で使われています。ヨガウェアやトレーニングウェアとしての機能性を重視した商品から、ファッションアイテムとしてのシルエット重視のデザイン性高いモデルまで、多様な展開が見られます。
また、冬には裏起毛素材の防寒用レギンス、春夏には吸湿速乾素材の涼感レギンスなど、季節や用途に合わせた機能性も向上しています。近年ではメンズレギンスの市場も広がり、スポーツやアウトドアの分野を中心に男性の着用も一般化しています。
レギンスと他のアイテムとの違い
レギンスと類似するアイテムとして、「トレンカ」や「スパッツ」、「タイツ」があります。トレンカは足先が出るタイプ、スパッツは短め丈で主に運動用、タイツはナイロン製でより薄く下着に近い存在です。レギンスはこれらの中間に位置し、ファッション性と実用性のバランスを持ったアイテムと言えます。
今後の展望
レギンスは今後も機能性の進化とともに、よりファッションアイテムとしての幅を広げていくと予想されます。環境配慮型素材を使用したサステナブルなレギンスや、スマートテキスタイル技術を用いた高性能モデルの登場など、新たな展開にも注目が集まっています。
また、ジェンダーレス化の進行とともに、性別や年齢を超えた着用も一般化し、より日常的なベーシックアイテムとして定着していくでしょう。