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アパレル業界におけるレザーライダースとは?

アパレル業界の分野におけるレザーライダース(れざーらいだーす、Leather Riders Jacket、Blouson motard en cuir)は、レザー(革素材)で作られたライダースジャケットのことで、もともとはバイク乗りのために開発された実用的なアウターウェアです。現在ではバイク用としてだけでなく、ファッション性の高いアイテムとして、男女問わず広く支持されています。デザインにはダブルライダースとシングルライダースがあり、それぞれに異なる雰囲気とスタイルの特徴があります。

レザーライダースの定義と基本的特徴

レザーライダースとは、革製のジャケットで、元来はオートバイ走行時の防風・防寒・耐摩耗性を考慮して設計された衣服です。特徴的な要素として、斜めに配置されたファスナー(ジップ)、スタッズやベルト、肩のエポーレット、ジッパーポケットなどがあります。

レザー素材には牛革(カウレザー)や羊革(ラムレザー)、山羊革(ゴートレザー)などが使用されており、それぞれの素材によって質感や重さ、着心地が異なります。シルエットは体に沿ったタイトなラインが多く、無骨さと洗練さを兼ね備えたスタイルとして人気があります。

レザーライダースの歴史と語源

「レザーライダース」の語源は、「ライダー(rider)=乗り手」と「ジャケット(jacket)」を組み合わせたものです。1928年、アメリカの「Schott Bros(ショット・ブラザーズ)」社が、世界で初めてのレザー製バイク用ジャケット「Perfecto(パーフェクト)」を開発し、これが現在のダブルライダースの原型とされています。

このアイテムは、後に映画『乱暴者(The Wild One)』(1953年)でマーロン・ブランドが着用したことにより、バイク文化の象徴として不動の地位を築きました。その後、1950年代のロカビリー文化や1970年代以降のパンクファッションの中でも、レザーライダースは象徴的なアイテムとして登場します。

シングルとダブルの違いとそのスタイル

レザーライダースには主に「シングル」と「ダブル」の2種類のスタイルがあります。

シングルライダース

フロントジップがまっすぐに配置され、装飾が少なく、よりミニマルでスマートな印象を与えるタイプです。スーツの上にも羽織れるような、都会的で洗練された印象を持つため、きれいめカジュアルに適しています。

ダブルライダース

ジップが斜めに配置され、襟が大きく開き、装飾が多めなデザインです。もともとバイク走行時に風を防ぐための設計で、パンク・ロック的な強さと存在感があり、無骨で男らしいファッションに向いています。

現在のファッションにおけるレザーライダース

現在ではレザーライダースはバイク用としての役割を超えて、ファッションアイテムとして定着しています。ブラックを中心としたシンプルなモデルから、カラーレザーやクロコ型押し、メタリック素材まで、多様なデザインが展開されています。

メンズではジーンズやチノパンとの相性が良く、レディースではフレアスカートやワンピースなど、フェミニンなアイテムとのミックススタイルが定番です。また、近年ではフェイクレザーを使ったサステナブルな商品も登場し、環境配慮への意識が高まる中で新たな価値も生まれています。

今後の展望

レザーライダースは今後もその普遍的な魅力から、トレンドに左右されにくいアイテムとしてファッションにおける定番の一角を担い続けるでしょう。加えて、ジェンダーレスなデザインや軽量化、機能性素材の導入などにより、より幅広い層に支持される展開が期待されます。

一着持っているだけでスタイルが引き締まるレザーライダースは、アパレルにおける「永遠の定番」として今後も進化を続ける存在です。

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