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アパレル業界におけるレース素材とは?

アパレル業界の分野におけるレース素材(れーすそざい、Lace Fabric、Tissu en dentelle)とは、糸を繊細に編み上げ、透け感や装飾性を持たせたテキスタイルの一種で、衣料やインテリアに広く用いられています。レース素材は装飾性が高く、女性らしい印象を与える素材として多くのブランドやデザイナーに好まれており、ドレスやブラウス、カーディガン、ランジェリー、ブライダル衣装など様々な分野で使用されています。

レース素材の特徴と基本構造

レース素材は、透け感や華やかさ、軽やかさが魅力のテキスタイルです。糸をからめたり編んだりして空間(隙間)をつくり、その中に模様や柄を表現します。その構造上、通気性に優れており、見た目の美しさと共に着用時の快適さも備えています。

レースにはさまざまな種類がありますが、代表的なものにはチュールレース、ギピュールレース、リバーレース、エンブロイダリーレース(刺繍レース)などがあり、それぞれ編み方や糸の種類、密度が異なります。化学繊維、綿、絹などさまざまな素材で作られており、近年ではポリエステル製で耐久性が高く手入れしやすいタイプも人気です。

歴史と語源

レースの起源は16世紀のヨーロッパ、特にイタリアやベルギーとされており、貴族や王室の間でステータスシンボルとして用いられていました。当初は手作業によるニードルレースやボビンレースが主流で、大変な労力と時間を要するため高価なものでした。

「Lace」という英語はラテン語の「laqueus(結び目)」が語源とされ、繊維を組み合わせて模様を生み出す手法を意味しています。フランス語の「dentelle(ダンテル)」は「歯」を意味する「dent」に由来し、ギザギザとした縁取りを想起させます。18世紀には機械編みの技術が発展し、産業化によりより手頃に提供されるようになりました。

レース素材の種類と使われ方

チュールレース

網目状のベースに刺繍を施した軽やかな素材で、ドレスやスカート、ブライダル衣装によく使用されます。

ギピュールレース

重厚な模様が特徴の立体感あるレースで、襟や袖などアクセント部分に使用されることが多く、高級感を演出します。

リバーレース

フランス発祥の繊細なレースで、機械織りながら手編みに近い風合いがあり、ランジェリーやウェディングドレスに多く用いられます。

エンブロイダリーレース

ベース生地に刺繍を施して作られるレースで、カジュアルなトップスやインテリア雑貨にも用いられています。

現代におけるレース素材の役割と展望

現代のアパレルでは、レース素材はフェミニン・ロマンティック・ナチュラルといったテーマのアイテムで欠かせない存在となっています。ワンピースやブラウスはもちろん、Tシャツの部分装飾やスニーカー、バッグなどのアクセントとしても用いられています。

近年では、エシカルファッションやサステナブル素材の文脈でも注目されており、オーガニックコットンや再生繊維を使用したレース素材の開発も進んでいます。また、ユニセックスデザインやジェンダーレスファッションにも取り入れられるなど、その可能性はますます広がっています。

伝統と技術が融合したレース素材は、アパレル業界において時代を超えた魅力と革新性を兼ね備えた存在として、今後も多くのデザイナーや消費者に愛されていくでしょう。

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