アパレル業界におけるレギュラーカラーとは?
アパレル業界の分野におけるレギュラーカラー(れぎゅらーからー、Regular Collar、Col chemise classique)とは、シャツの襟(カラー)デザインの中で最も基本的かつ伝統的な形状を指します。左右の襟羽根が標準的な角度と長さで構成されており、ビジネスやフォーマルシーンを中心に、普遍的な人気を誇るスタイルです。襟型のバランスが良く、ネクタイを結ぶ際の収まりも良いため、ドレスシャツの代表的存在とされています。
レギュラーカラーの構造と特徴
レギュラーカラーとは、襟羽根の開き(開襟角度)が約75?90度程度で、襟の長さも中庸な長さを持つ、非常にスタンダードな襟型です。シャツデザインの中でも古典的でフォーマルな印象を与えるため、主にスーツスタイルやドレスコードが求められる場面で用いられます。
そのバランスの良いデザインは、どの顔型にも合いやすく、ネクタイとの相性も抜群であるため、最も汎用性の高い襟型として広く支持されています。特にビジネス用のシャツにおいては、基本型として多くのブランドが展開しており、新入社員の定番スタイルとしても浸透しています。
語源と由来
「レギュラー(Regular)」は「標準の」「正規の」といった意味を持ち、シャツのカラー(襟)においても「標準的な襟型」として名付けられました。英語での'Regular Collar'は直訳で「通常の襟」という意味合いになります。仏語では「Col chemise classique(クラシックなシャツ襟)」として認識されており、フォーマルな装いに不可欠な存在とされています。
19世紀後半から20世紀初頭のヨーロッパでは、着脱可能なスタンドカラーのシャツが主流でしたが、のちに現在のような一体型カラーが登場し、より実用的かつスマートなレギュラーカラーの形状が確立しました。ネクタイ文化の浸透と共にその定番性が増し、アメリカや日本でもスタンダードな襟型として広まりました。
他の襟型との比較
レギュラーカラー vs ボタンダウンカラー
ボタンダウンカラーは襟先をボタンで固定するデザインで、カジュアルな印象を持ちます。対してレギュラーカラーはボタンがない分、よりフォーマルで端正な雰囲気を持ち、スーツとの相性も良好です。
レギュラーカラー vs ワイドスプレッドカラー
ワイドスプレッドは襟羽根の角度が広く、よりモダンで華やかな印象を与えるのに対し、レギュラーカラーは控えめで伝統的な美しさを追求するデザインです。
現代における使われ方とトレンド
現代でもレギュラーカラーはビジネス、冠婚葬祭、フォーマルなパーティーなど、幅広いシーンで活躍しています。特にクラシックなスタイルが再評価されている昨今では、オーセンティックな印象を演出したい時に選ばれることが多く、トレンドを問わず安定した人気を誇ります。
また、ドレスシャツだけでなく、レディースのブラウスやカジュアルシャツにもこのレギュラーカラーのデザインが取り入れられ、ユニセックスなアイテムとしても展開されています。スタイルに流されないアイテムとして、アパレル業界でも多くのブランドが採用しています。
レギュラーカラーは、その普遍性と信頼感のあるスタイルで、今後もアパレル業界における基本の型としての地位を保ち続けると考えられます。