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アパレル業界におけるヤーンカウントとは?

アパレル業界の分野におけるヤーンカウント(やーんかうんと、Yarn Count、Num?ration du Fil)とは、糸の太さや細さを数値で示す指標のことで、織物や編物の風合いや強度、透け感、重さなどに大きな影響を与える重要な概念です。一般的には「番手(ばんて)」という単位で表され、数値が大きいほど糸が細く、数値が小さいほど糸が太いことを意味します。繊維の種類や用途に応じて異なる基準が存在し、製品設計の初期段階で欠かせない物理的な基準として用いられています。

ヤーンカウントの定義と特徴

ヤーンカウントとは、糸の太さ(または細さ)を定量的に表す指標であり、アパレルやテキスタイルの分野で生地の設計や品質管理に欠かせない数値です。日本では主に「番手(ばんて)」という単位で表されることが多く、数値が大きいほど糸は細く、数値が小さいほど糸は太くなります。

このカウントは使用する糸の種類や織物の用途に応じて適切に選ばれる必要があります。例えば、シャツやブラウスなど軽やかな衣類には細番手が使われ、ジーンズやキャンバス地のような厚手生地には太番手が選ばれます。また、番手の違いは見た目の繊細さや手触り、透け感、ドレープ性などに直結するため、デザインの方向性に強く影響を与える要素でもあります。

言葉の由来と歴史的背景

ヤーンカウントは、英語の“Yarn Count”をそのままカタカナ化した専門用語で、もともとは繊維工業における技術的な測定指標として発展しました。起源は18世紀の産業革命期にまでさかのぼり、織物やニット製品の大量生産が始まる中で、糸の品質や均一性を把握するための尺度として数値化が行われたことに由来します。

ヤーンカウントにはさまざまな表記体系が存在し、代表的なものとしては「単糸番手(Ne)」や「公定計量番手(Nm)」、「デニール(denier)」、「デシテックス(dtex)」などがあります。それぞれの単位には計算方法や使用される国・地域によって違いがあり、グローバル市場での調整や換算も重要なスキルとなります。

現代における使われ方と実務的な役割

現代のアパレル業界では、ヤーンカウントは素材選定や製品設計の初期段階で不可欠な要素となっています。特に機能性素材や高級衣料においては、適切な番手の選定が製品の仕上がりや着心地、強度、コストにまで影響を及ぼします。

また、糸の組み合わせによって風合いや物性が大きく変化するため、複数の糸を用いた織物やニット素材では、各ヤーンカウントを把握しておくことが必須です。さらに、サステナブル素材や特殊機能糸(吸水速乾・抗菌など)の開発現場でも、カウントの違いによって用途や機能性が左右されるため、より精密なコントロールが求められています。

まとめ

ヤーンカウントは、糸の太さを示す定量的な指標であり、アパレル製品の品質や機能性、美的表現に深く関わる重要な要素です。歴史的には産業革命期の繊維産業の発展とともに登場し、今日では素材選定や生地設計、商品開発において欠かせない技術的知識とされています。番手の理解は、素材の特性を正確に把握し、消費者にとって快適で魅力ある衣類を提供するための基本中の基本といえるでしょう。

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