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アパレル業界におけるヤーントリミングとは?

アパレル業界の分野におけるヤーントリミング(やーんとりみんぐ、Yarn Trimming、Finition en fil)とは、衣服やファッション雑貨の装飾や縁取りに使用される糸素材を用いたトリミングのことを指します。ヤーン(糸)をねじったり編んだりして装飾的に仕上げることで、デザインにアクセントや質感の変化を与える要素となります。織物、編物問わず活用され、クラシックからモダンなファッションまで幅広く用いられています。

ヤーントリミングの定義と特徴

ヤーントリミングとは、装飾的要素を目的として、糸(ヤーン)を使って服飾品の縁や表面に施される装飾加工の一種です。これにはフリンジ、タッセル、ブレード、コードなどが含まれ、通常は異なる色や素材を組み合わせることで、視覚的な効果を生み出します。

ヤーンの種類や太さ、撚り方によって表現の幅が広がり、ゴージャスな印象からナチュラル、ミニマルな仕上がりまで多様なスタイルに対応可能です。衣類の他にもバッグ、帽子、インテリアファブリックなどにも応用されることが多く、質感とディテールにこだわるアイテムに多用されます。

言葉の由来と歴史的背景

ヤーンは英語で「糸」を意味し、トリミングは「縁飾り」や「装飾仕上げ」の意味を持つ言葉です。この2語を組み合わせた「ヤーントリミング」は、糸を使った縁飾りの総称としてアパレル業界で使用されています。

歴史的には、18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパの宮廷衣装において、ヤーントリミングは高貴さや階級を象徴するディテールとして発展しました。特にジャカード織りや金銀糸を使用した装飾が多く見られ、軍服やドレス、礼装に多用されました。産業革命以降は大量生産が可能になり、一般向けの装飾としても普及しました。

現代の使われ方とスタイリング

現代のアパレル製品において、ヤーントリミングは、既製服からオートクチュールまで幅広く取り入れられています。特に注目されるのは、服のシルエットやラインを際立たせるディテールとしての活用です。ジャケットやコートの襟、ポケット縁、袖口に施されることが多く、視線を引きつける役割を果たします。

また、エスニックスタイルやフォークロア調のアイテムには、手作業の風合いを残したナチュラルなヤーンを使ったトリミングが施されることもあります。ハンドクラフトやサステナブルなデザインが重視される近年では、手編み風のトリミングやリサイクルヤーンを用いたデザインも人気を集めています。

さらに、アクセサリーやシューズ、バッグなど小物に取り入れることで、コーディネートに彩りや表情を加える演出効果も高く、装飾性と機能性を両立するテキスタイルディテールとして高い評価を得ています。

まとめ

ヤーントリミングは、糸を使った縁飾りや装飾として、アパレルデザインに華やかさや独自性をもたらす重要な要素です。歴史的には格式ある装飾として発展し、現在では多様な素材やスタイルで展開されています。衣服だけでなくファッション小物やインテリアにも応用され、個性と職人技の融合を象徴するディテールとして、現代のファッションシーンでも活躍を続けています。

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