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アパレル業界におけるヤーンテンプレートとは?

アパレル業界の分野におけるヤーンテンプレート(やーんてんぷれーと、Yarn Template、Gabarit de fil)とは、ニット製品や織物を設計する際に用いられる、糸(ヤーン)の種類・太さ・撚り方・色・組成などの仕様をあらかじめ定めた設計書あるいはリファレンス資料を指します。特に製品開発や量産工程において、安定した品質と意匠表現の再現性を保つために重要で、近年ではデジタル化されたテンプレートも増加しています。

ヤーンテンプレートの定義と特徴

ヤーンテンプレートとは、ニットや織物を生産するうえで用いられる、糸に関する設計仕様をまとめた資料のことを指します。このテンプレートには、使用する糸の繊維の種類、太さ(番手)、撚り数、色番号、メーカー、仕上げ加工などの情報が明記されており、生産現場との共有や品質管理の指標として機能します。

アパレル製品は見た目だけでなく、肌触りや伸縮性、保温性、吸湿性といった素材特性によって着用感が左右されます。そのため、糸の選定と設計は非常に重要であり、テンプレートによって再現性の高い製造が可能となります。

言葉の由来と歴史的背景

「テンプレート(template)」という語は「型」や「雛形」を意味する英語で、製造業やデザインの分野で広く用いられています。アパレル業界では、パターン(型紙)や仕様書と並んで、糸に関する統一的な指標として「ヤーンテンプレート」が用いられるようになりました。

元々は職人の記憶やノートに頼っていた糸の選定と使用記録が、量産体制の整備やグローバル化によって標準化され、視覚的かつ体系的な情報管理が求められるようになったことで、テンプレート化が進行しました。2000年代以降、デジタルアパレル設計やサプライチェーン管理の進展により、PDFやクラウド上で共有可能なフォーマットとして一般化しています。

現代の使われ方とバリエーション

現在のヤーンテンプレートは、主に以下のような用途で利用されています:

  • 製品ごとの糸仕様の一元管理
  • サプライヤーや工場との共有資料
  • 品質トラブルの原因追跡
  • コレクション内の糸使いの統一

また、ブランドごとにテンプレートフォーマットが整備されており、テンプレートの整合性と正確性が商品品質に直結することから、専門職(素材設計担当者やテキスタイルディレクター)が管理することもあります。

近年では3Dニッティングやデジタルツイン技術の活用に伴い、糸の物性値や表現データを含むテンプレートも登場しており、サステナビリティやDX(デジタルトランスフォーメーション)の文脈でも注目されています。

まとめ

ヤーンテンプレートは、アパレル製品に使用される糸の設計と品質を標準化・共有するための重要なツールです。製品の一貫性を確保し、素材選定の効率化や品質維持に貢献するこのテンプレートは、今後もアパレル業界における素材戦略の中核として進化を続けていくでしょう。

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