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アパレル業界におけるヤクウールブレンドとは?

アパレル業界の分野におけるヤクウールブレンド(やくうーるぶれんど、Yak Wool Blend、M?lange de laine de yack)とは、ヤクの毛(ヤクウール)と他の天然または合成繊維を組み合わせて作られた混紡素材のことを指します。保温性・通気性・耐久性・軽さなどヤク特有の特性を生かしながら、コスト調整や機能強化、質感のバリエーションを実現するために活用され、サステナブルな高機能素材として注目されています。

ヤクウールブレンドの定義と特徴

ヤクウールブレンドとは、寒冷地に生息するヤクの毛から得られる高品質なウールと、ウール、アルパカ、シルク、カシミヤ、ポリエステル、ナイロンなど他の素材を混紡したテキスタイルを意味します。ヤクウールは単独でも高い保温性と柔らかさを持ちますが、他の素材とブレンドすることでコストパフォーマンスの向上や、風合い・強度の調整を可能にします。

この素材は、手触りが滑らかで軽量かつ暖かく、肌への刺激が少ないため、敏感肌にも適しています。ブレンド内容によって、ツヤ感を加えたり、シワになりにくい特性を持たせるなど、多彩な表現が可能となり、ファッションアイテムとしての幅広い応用が利きます。

言葉の由来と歴史的背景

「ヤク(Yak)」はヒマラヤ高原に生息するウシ科の哺乳動物で、その体毛は過酷な寒さに耐えるため非常に密度が高く、高い保温性と断熱性を持っています。このヤクの下毛(アンダーコート)を使用した糸が「ヤクウール」であり、従来は現地の遊牧民たちによって自家用に使用されていました。

2000年代以降、エシカルファッションやサステナブル素材への関心が高まる中で、ヤクウールは高級繊維として欧米や日本のマーケットでも注目を集めるようになり、その希少性と品質を保ちつつ生産効率を上げるために「ブレンド」技術が活用され始めました。これが「ヤクウールブレンド」としての始まりです。

現代の使われ方とバリエーション

現在のヤクウールブレンドは、セーター、カーディガン、ストール、ジャケット、コートなど多くの秋冬物アパレルに使用されます。柔らかくナチュラルな風合いを活かしてカジュアルにもフォーマルにも応用されており、ユニセックスで使えるデザインが豊富です。

特に、カシミヤとのブレンドでは光沢と滑らかさが増し、アルパカとの組み合わせではよりラグジュアリーな仕上がりになります。一方で、ポリエステルやナイロンとの混紡では耐久性や撥水性が向上し、アウトドアウェアやスポーツウェアに適した機能性素材としても活用されます。

また、エコやサステナビリティを重視するブランドでは、ヤクの毛の採取過程において動物福祉を考慮した非侵襲的な方法を採用しており、その点でも注目を集めています。環境への配慮と高機能性を両立した素材として、持続可能なファッションの一翼を担っています。

まとめ

ヤクウールブレンドは、ヤクの自然な温かみと他素材の特性を活かした高機能でサステナブルなテキスタイルです。ファッション性と実用性を兼ね備えたこの素材は、今後もアパレル業界における重要な選択肢の一つとして広く活用され続けることでしょう。

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