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アパレル業界におけるヤク混カーディガンとは?

アパレル業界の分野におけるヤク混カーディガン(やくこんかーでぃがん、Yak Blend Cardigan、Cardigan en m?lange de yack)とは、寒冷地に生息するヤクの毛を主原料に、他の天然繊維や合成繊維と混紡して作られたカーディガンのことを指します。保温性と軽さに優れ、チクチクしにくい肌ざわりが魅力で、秋冬シーズンの上質な羽織り物として注目されています。高機能素材でありながら環境にやさしい点も評価され、サステナブルファッションの潮流とも親和性の高い製品群です。

ヤク混カーディガンの基本的な定義と特徴

ヤク混カーディガンは、ヤクの毛を30~70%程度含む混紡糸を用いたカーディガン製品です。ヤクの毛はカシミヤにも匹敵する繊維の細さを持ち、柔らかさ・保温性・通気性に優れています。また、ヤクの毛には天然のグレイッシュブラウンの色味があるため、無染色やナチュラルトーンで展開されることも多く、自然な風合いを重視するファッションに適しています。

カーディガンは前開きで着脱しやすい構造を持ち、インナーやシャツとの重ね着にも対応できるため、ユニセックスかつ多用途なアイテムとされています。ヤク混素材を使用することで、見た目の上質感と機能性が両立され、普段着からオフィスカジュアルまで幅広いスタイリングに対応できます。

歴史・語源・素材の背景

「ヤク」は中央アジアの高地に生息する牛の一種で、その毛は古くからチベットやモンゴルの遊牧民により衣類として利用されてきました。特に内毛(アンダーコート)は極めて繊細で高保温性を持ち、カシミヤと並ぶ高級天然素材として国際的に認知されつつあります。

「カーディガン」という語は19世紀のイギリスのカーディガン伯爵が由来とされ、当初は軍服の一形態でした。これが20世紀に入り一般衣料として普及し、今日では秋冬のアウター・ミドラーとして定番アイテムとなっています。そこにヤク混素材が用いられることで、機能性と高級感の両立が実現しました。

現代の使われ方と市場動向

ヤク混カーディガンは、自然素材志向やエシカルファッションの潮流の中で注目を集めています。環境に配慮したライフスタイルを送る層に対し、「チクチクしない天然素材」「脱合成繊維」「持続可能な素材」として選ばれる傾向があります。特にアウトドアブランドやオーガニックブランドでの採用が増えており、リサイクル素材や動物福祉を重視した生産背景と併せて訴求されています。

また、色やデザインの選択肢も増えつつあり、クラシックなVネックタイプから、オーバーサイズやドロップショルダーなどのトレンドを取り入れたファッション性の高い製品も登場しています。高価格帯の商品では、カシミヤとのブレンドや完全無染色仕上げなど、さらに希少性を高めたプレミアムモデルも見られます。

まとめ

ヤク混カーディガンは、暖かさと柔らかさを兼ね備えた天然素材アイテムとして、現代のファッションとライフスタイルに調和した存在です。快適な着心地と環境負荷の少ない素材を求める消費者に対し、ヤク混という選択肢は今後ますます重要な役割を果たしていくと考えられます。

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