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アパレル業界におけるラムウールとは?

アパレル業界の分野におけるラムウール(らむうーる、Lambswool、Laine d’agneau)とは、生後おおよそ6~7か月以内に初めて刈り取られる子羊の毛を使用した天然ウール素材のことを指します。通常のウールと比べて繊維が非常に細く柔らかく、保温性・肌触りともに優れているため、高級ニットやマフラー、セーターなどに使用される素材として知られています。ラムウールは品質の高さから、上質な着心地を求めるアパレル製品に多く用いられています。

ラムウールの特徴と定義

ラムウールとは、生後半年ほどの子羊から初めて刈り取られるウールのことで、一般的な成羊のウールとは区別される特別な素材です。この段階の羊毛は繊維が非常に細く、柔らかくしなやかでありながら、保温性や弾力性にも優れているのが特徴です。

アパレル製品では、主にセーター、マフラー、手袋などの防寒衣料に使用されることが多く、肌への刺激が少ないため、敏感肌の人でも着用しやすい素材として人気があります。特に冬物アイテムでは、カシミヤよりも価格を抑えつつ、近いレベルの風合いや着心地を実現できる点でも高く評価されています。

言葉の由来と歴史的背景

「ラム(Lamb)」は英語で「子羊」を意味し、「ウール(Wool)」は羊毛を意味するため、ラムウールは直訳で「子羊の毛」となります。フランス語では「Laine d’agneau(レーヌ・ダニョー)」と呼ばれ、同様に高級ウールの代名詞とされています。

歴史的には、羊毛自体は紀元前から織物の原料として世界中で利用されており、イギリスやオーストラリアなどの牧羊文化圏ではラムウールの重要性が早くから認識されていました。特に英国スコットランド地方では、ラムウールの柔らかさを活かした高級ニットが伝統工芸品として発展しました。

現代における使われ方と評価

現在のアパレル業界において、ラムウールは「高品質かつ価格に見合う贅沢な素材」として定評があります。ファストファッションからハイエンドブランドまで幅広いレンジで使用されており、消費者にとっては「手が届く贅沢」として人気を集めています。

また、ラムウールは染色性も高く、さまざまな色調を美しく表現できるため、カラー展開が豊富な製品に適しています。近年は環境配慮の観点からも、合成繊維に代わる持続可能な天然素材として注目されており、オーガニックラムウールやトレーサビリティのある生産ラインにも注目が集まっています。

他素材との違い

ラムウールと似たような高級ウール素材としてはカシミヤやアルパカ、メリノウールなどがありますが、それぞれに異なる特性があります。ラムウールは、特にその「軽さ」と「肌当たりの柔らかさ」において中庸的なバランスを持ち、日常使いにも適した機能性を兼ね備えています。

価格帯はカシミヤよりも手頃で、かつ通常のウールよりも高品質なため、ミドルレンジの製品に多く用いられます。加えて、耐久性にも優れており、適切な手入れを行えば長く使用できる点も支持されています。

まとめ

ラムウールは、天然素材としての魅力と肌触りの良さ、保温性と柔軟性を兼ね備えた上質なウール素材です。歴史的にも評価が高く、現代のアパレル製品では環境意識の高まりとともに、さらに注目を集めています。高品質な素材選びが求められるアパレル業界において、今後もラムウールは欠かせない素材の一つとして位置づけられることでしょう。

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