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アパレル業界におけるラムレザーとは?

アパレル業界の分野におけるラムレザー(らむれざー、Lamb Leather、Cuir d’agneau)とは、生後1年未満の子羊から採取される皮革素材のことを指します。繊維構造が非常に細かく、手触りは柔らかく滑らかで、軽量かつしなやかである点が特徴です。高級感と着心地を両立する素材として、ジャケット、手袋、バッグなどのラグジュアリーアイテムに広く使用されています。

ラムレザーの定義と特徴

ラムレザーとは、通常は生後6?12か月以内の子羊(ラム)から得られる革を指し、成羊のシープレザー(Sheep Leather)と区別される上質な皮革です。繊維が密で非常に柔らかく、しなやかで、手に吸い付くような質感を持つため、肌に直接触れるアパレル製品に適しています。

一般的にラムレザーは、薄くて軽いため着用時の負担が少なく、動きやすさと着心地の良さを兼ね備えています。また、風を通しにくく保温性にも優れており、秋冬シーズンのアウターやファッション小物に多用されます。

言葉の由来と語源

「ラム(Lamb)」は英語で「子羊」を意味し、「レザー(Leather)」は皮革を意味します。フランス語では「Cuir d’agneau(キュイール・ダニョー)」と呼ばれ、特に高級皮革製品の素材として知られています。

この言葉の由来は、毛皮文化が発達していたヨーロッパにあります。中世ヨーロッパでは、羊毛とともに子羊の皮革も貴重な素材として重宝されており、特にイタリア、フランス、スペインなどの国々では、技術と伝統を引き継いだなめし工程が発展しました。

歴史的背景と進化

ラムレザーは歴史的に王侯貴族の衣服や手袋、書物の表紙などに使われる高級素材でした。中世ヨーロッパでは、柔らかく加工しやすい性質が重宝され、装飾性と実用性の両面で優れた素材とされていました。

20世紀に入ると、ラムレザーはモード業界において注目を集め、特に1950年代以降のファッションの多様化にともなって、ジャケットやコート、スカート、パンツなど、衣料用素材としての需要が拡大しました。映画や音楽の影響でレザーファッションが流行し、ラムレザーのしなやかさと高級感が支持を集めました。

現在の使われ方と評価

現在、ラムレザーはラグジュアリーブランドの定番素材として、高級ジャケットや手袋、財布、バッグなどに幅広く使用されています。しなやかさと上質な光沢を持つことから、デザイン性と機能性の両方を求めるアイテムに最適です。

また、近年では環境意識の高まりから、サステナブルな飼育や加工工程に配慮したラムレザーの需要も増えています。ベジタブルタンニンなめしやクロムフリーなめしなど、環境負荷を減らした技術が発展しつつあります。

手入れと注意点

ラムレザーは非常に柔らかくデリケートな素材であるため、取り扱いには注意が必要です。雨や水分に弱く、シミや変色の原因になるため、撥水スプレーの使用や保管時の湿度管理が推奨されます。

また、折り癖や摩擦に弱い面もあるため、長時間の折りたたみや強い擦れを避けることが望ましいです。使用後は専用のレザークリームでケアすることで、風合いを長く保つことができます。

まとめ

ラムレザーは、その繊細な質感、軽さ、柔らかさ、そして高級感により、アパレル業界では非常に人気の高い皮革素材です。歴史的背景と伝統技術に支えられたその魅力は、今後もファッションの世界で重要な位置を占め続けることでしょう。エレガントな風合いと機能性を両立したラムレザー製品は、長く愛用されるアイテムとして、多くのファッション愛好者に支持されています。

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