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アパレル業界におけるラミネート加工とは?

アパレル業界の分野におけるラミネート加工(らみねーとかこう、Laminated Finish、Finition lamin?e)とは、生地の表面または裏面にフィルムや樹脂などの素材を圧着する加工技術を指します。この処理により、生地は防水性・防風性・耐久性などの機能性を高めると同時に、光沢や質感といったデザイン的な効果も付与されます。スポーツウェアやアウトドア製品、モード衣料まで幅広く活用される高度な加工法の一つです。

ラミネート加工の基本と目的

ラミネート加工は、複数の素材を重ね合わせて一体化させる加工技術で、アパレル業界では主に布地にフィルムや薄いプラスチック素材、ポリウレタン(PU)などを貼り付けて性能を向上させる目的で用いられます。

この加工を施すことで、生地に防水性・防風性・透湿性・耐摩耗性などの機能を持たせることが可能となり、衣料用途の幅を広げます。特にアウトドアジャケットやレインコート、スキーウェアなどに多く用いられます。

言葉の由来と語源

「ラミネート(Lamination)」という言葉は、ラテン語の「lamina(薄片、層)」に由来し、英語では「to laminate(層を重ねる)」という意味で用いられています。フランス語の「Finition lamin?e」も同様に、複数の層によって仕上げられた素材を意味します。

元々は工業製品や建築材料の分野で用いられていた技術ですが、20世紀後半からファッションおよびテキスタイルの分野にも導入され、より多機能な衣料素材開発の基盤となりました。

ラミネート加工の歴史と発展

アパレル用途でのラミネート加工は、1950年代のアメリカ軍用ウェアに始まりました。当時、防水性と耐久性を必要とする軍装品の開発が進められ、その後民間市場へと波及しました。

1970?1980年代には、登山やスキーといったアウトドアアクティビティの隆盛により、機能性素材の需要が急増。ゴアテックス(GORE-TEX)などの透湿防水素材の登場とともに、ラミネート技術はさらに進化を遂げました。

同時に、ファッション性を重視するモードブランドもこの技術に注目し、光沢やハリ感、独特な素材感を演出する表現方法としてラミネート加工を採用するようになりました。

現在の使われ方と応用

ラミネート加工は、主に以下のような用途で使用されています:

  • 防水・防風ウェア(レインコート、ウィンドブレーカーなど)
  • アウトドア・スポーツウェア(登山、スキー、トレイルランなど)
  • モード系アウター(光沢を活かしたコートやブルゾン)
  • バッグ、靴、アクセサリー類(耐久性と質感の向上)

加えて、熱可塑性フィルムやバイオ素材を用いた環境配慮型ラミネート加工も登場し、サステナブルファッションの文脈においても注目を集めています。

メリットと注意点

ラミネート加工の主なメリットは以下の通りです:

  • 優れた防水・防風性能
  • 生地に高級感や独特な風合いを与える
  • 耐摩耗性や汚れに強くなる

一方で、通気性の低下や可とう性の減少、劣化時の剥離などのデメリットも存在します。加工後の素材の取り扱いには一定の注意が必要です。

まとめ

ラミネート加工は、ファッションと機能性の融合を可能にする先進的な技術です。その歴史的背景は軍事やアウトドアに端を発し、現在ではハイファッションからカジュアルまで幅広い分野で活用されています。環境への配慮とともにさらなる進化が期待されるラミネート加工は、アパレルの未来を切り開くキーテクノロジーのひとつと言えるでしょう。

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