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アパレル業界におけるライナーコートとは?

アパレル業界の分野におけるライナーコート(らいなーこーと、Liner Coat、Manteau ? doublure amovible)とは、取り外し可能なライナー(内張り)が付属したコートのことを指します。気温や季節の変化に対応できる汎用性があり、主に防寒性を強化するために使用されます。ライナーには中綿やボア、キルティング素材などが使われることが多く、着脱式であるため春秋から冬まで長く活用できるのが特徴です。近年ではファッション性と機能性の両立が求められ、アウトドアやミリタリー由来のアイテムとしても注目されています。

ライナーコートの定義と特徴

ライナーコートとは、着脱可能なライナー(裏地)を備えたコートのことを指し、外側のアウターシェルと内側の防寒ライナーの2重構造で構成されるアパレルアイテムです。

ライナー部分には、中綿やフリース、ボア、キルティングなどの素材が使用されることが一般的で、気温に応じて取り外して使い分けることができます。これにより、一着で複数の季節に対応可能な利便性を持ち、冬場はライナーを装着して防寒性を高め、春秋はライナーを外して軽やかに着用することができます。

言葉の由来と歴史的背景

「ライナーコート」という言葉は、「ライニング(Lining)」に由来し、裏地や内張りという意味を持ちます。特に取り外し可能な裏地=「ライナー」としての使い方が定着しており、20世紀半ばのミリタリーウェアやアウトドアギアにおいて普及しました。

代表的な例としては、アメリカ軍のM-65フィールドジャケットや、イギリス軍のパーカなどに使われていた脱着式ライナーがあり、寒冷地での防寒性と汎用性を両立させる機能的要素として重要視されていました。やがてこの実用性がファッション界にも応用され、1980年代以降のアウトドアブームや都市型ミリタリースタイルの流行とともに、タウンユースに進化したアイテムとして普及しました。

現代の使われ方とバリエーション

現代のアパレルにおいて、ライナーコートは、都市生活者の気候適応性を重視した多機能コートとして人気があります。特に、温暖化の影響により気温差の激しい近年では、「一着で長く使える」アウターとしての価値が高まっています。

また、ライナー自体を単体で着用可能なデザインとする製品も多く、ライナーをボタンやジップで取り外してフリースジャケットやインナーダウンとして着回すことも可能です。このような2WAY、3WAY機能が備わっていることも多く、出張や旅行時にも重宝されています。

素材やデザインも多様化しており、トレンチコートやモッズコート、ダウンコートなどさまざまなタイプのアウターにライナー機能が組み込まれています。カラーリングや柄、ディテールにもこだわりが見られ、機能性とファッション性の融合を体現する代表的なアイテムのひとつとなっています。

まとめ

ライナーコートは、取り外し可能なライナーを備えることで季節や気候に柔軟に対応できる機能性コートであり、ミリタリーやアウトドアの流れを汲んで進化してきたアパレルアイテムです。現代では、ファッション性や着回し力、持続可能性の観点からも支持されており、今後もより多様なライフスタイルに対応する形で進化が期待されます。

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