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アパレル業界におけるラウンドシルエットとは?

アパレル業界の分野におけるラウンドシルエット(らうんどしるえっと、Round Silhouette、Silhouette arrondie)とは、服の形状に丸みを持たせたデザインのことを指し、ふんわりと膨らんだ曲線的なフォルムが特徴です。肩や袖、身頃、裾などに柔らかな丸みを持たせることで、優しげでナチュラルな印象を与えるとともに、リラックス感やモード性を演出します。ワンピースやコート、パンツなど様々なアイテムに取り入れられ、性別や年齢を問わず幅広く支持されています。身体のラインを拾いすぎず、体型カバーにも効果的な点も魅力です。

ラウンドシルエットの特徴と効果

ラウンドシルエットは、直線的ではなく、ゆるやかな曲線を描くような立体的なフォルムで構成された衣服のシルエットを指します。特に、袖や身頃、パンツの太もも周辺などに膨らみを持たせ、裾にかけて緩やかに絞るなど、柔らかく丸みを帯びたデザインが特徴です。

このようなシルエットは、身体のラインを適度にぼかしながらも、動きに合わせてふんわりと揺れることで、着用者に優雅さやナチュラルな印象を与えます。また、リラックス感を与えるシルエットでもあり、堅苦しくない着こなしを好む現代のトレンドと調和しています。体型カバーや着やせ効果もあり、多くの年代に受け入れられやすいデザインとなっています。

言葉の由来と歴史的背景

「ラウンドシルエット」という言葉は、英語の「round(丸い)」と「silhouette(輪郭、外形)」を組み合わせた造語的な表現で、日本のアパレル業界において視覚的なフォルムの印象を明確に伝えるために用いられるようになりました。海外では「cocoon shape(コクーンシェイプ)」や「balloon silhouette(バルーンシルエット)」と呼ばれるスタイルと近い意味で使われます。

その起源は20世紀中頃のオートクチュールにさかのぼり、特に1950年代に活躍したクリスチャン・ディオールやバレンシアガなどのデザイナーが提案したコクーンコートバレルラインなどの曲線的なデザインが先駆けとされています。日本においては1980年代以降のモードブームやナチュラル系ファッションの流行とともに浸透し、現在では日常的なカジュアルウェアにも広く用いられています。

現代におけるラウンドシルエットの使われ方

現代のアパレルにおいて、ラウンドシルエットは、柔らかさや包容力、モード感を演出するための重要な要素となっています。特にウィメンズウェアにおいては、ワンピースやブラウス、コートなどに採用されることが多く、フェミニンな印象を与えるスタイルとして定着しています。

また、近年ではジェンダーレスなスタイルの一環として、メンズウェアにもラウンドシルエットを取り入れる動きが見られ、オーバーサイズやドロップショルダーと組み合わせたデザインが人気を博しています。自然な丸みが身体を包み込むように見えることで、着心地の良さや安心感を提供するシルエットとして再評価されています。

素材選びにも工夫が凝らされており、ハリ感のあるコットンやウール混の生地を使用することでフォルムの立体感を保ちながらも自然なドレープを実現するなど、デザインと機能性を兼ね備えた提案が増えています。ナチュラル、モード、ミニマルといったテイストにも適応しやすく、今後もますます多様なシーンで活用されるシルエットと言えるでしょう。

まとめ

ラウンドシルエットは、曲線を活かした柔らかく立体的なフォルムが特徴のシルエットであり、現代のファッションにおいて性別や年齢を超えて幅広く支持されているデザイン手法です。優雅さとリラックス感を兼ね備えたこのシルエットは、今後も多様なアパレルアイテムにおいて重要な位置を占めていくと考えられます。

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