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アパレル業界におけるラウンドフォルムとは?

アパレル業界の分野におけるラウンドフォルム(らうんどふぉるむ、Round Form、Forme arrondie)とは、服やアクセサリーなどのデザインにおいて、直線的またはシャープなラインではなく、丸みを帯びたシルエットや曲線的なフォルムを取り入れた造形を指します。肩や袖、裾などに膨らみやカーブを持たせ、柔らかく女性的、もしくはモダンで立体的な印象を与えるスタイルです。視覚的なやわらかさや快適さを演出するため、モード系やナチュラル系をはじめとする多様なファッションカテゴリーで活用されており、特に近年はジェンダーレスやサステナブルな価値観とも親和性の高いデザインとして注目されています。

ラウンドフォルムの定義と特徴

ラウンドフォルムとは、衣服のシルエットやデザインにおいて、曲線的・球体的なラインを強調したフォルムを指す用語です。直線的なパターンとは対照的に、袖や肩、裾、胴体のラインなどに膨らみや丸みを持たせることで、柔和な印象や立体感を演出します。

特にコクーンシルエットやバルーンスリーブなど、身体にフィットせずにゆとりのある構造を持ったデザインに多く見られます。視覚的に柔らかく、軽やかな印象を与えるだけでなく、着用者の体型を拾いにくくする効果もあり、実用性と美的機能を兼ね備えています。

言葉の由来と歴史的背景

「ラウンドフォルム」という言葉は、英語の “round(丸い)” と “form(形)” を組み合わせた表現で、日本では主にファッションやデザイン領域において、立体的な丸みを持つ造形を説明する際に用いられるようになりました。フランス語では「forme arrondie」と表現され、建築や工芸分野でも広く使われています。

ファッションにおいては、1960年代のスペースエイジ・モードや、1980年代の構築的シルエットの流行を経て、2000年代以降のミニマル志向やナチュラルファッションの中で再評価され、丸みを生かしたシルエットが注目を集めました。特に日本国内では「やさしい印象」や「癒し」を連想させるフォルムとして、多くのブランドが取り入れています。

現代の使われ方とデザイン的応用

現在、ラウンドフォルムは、シルエットに個性や立体感を加える手法として、さまざまなアイテムに応用されています。代表例として、バルーンスカート、ラウンドショルダーのコート、ドロップショルダーのニットなどが挙げられます。

素材面では、形状記憶素材やハリのある綿、ウールなどが多く使われ、丸みをしっかりと形づくるためのパターン技術も重視されます。また、オーバーサイズやジェンダーレスといったトレンドとも相性が良く、ユニセックスな印象を与えたいブランドでも多用されています。

バッグや靴などの小物類でも、ラウンドシェイプのフォルムが採用されており、スタイリングにやわらかさや親しみやすさを加える要素として機能しています。近年はサステナブル素材との組み合わせにより、環境配慮と美しさを両立するデザインとしても評価されています。

まとめ

ラウンドフォルムは、曲線的で立体感を持たせた衣服や小物のデザインに用いられる表現であり、視覚的な柔らかさや快適さ、そして造形の美しさを表現する上で重要な役割を果たします。時代の感性やライフスタイルの変化に呼応しながら、今後も幅広いジャンルで活用されていく要素です。

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