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アパレル業界におけるラグ調プリントとは?

アパレル業界の分野におけるラグ調プリント(らぐちょうぷりんと、Rug Pattern Print、Impression style tapis)とは、伝統的な織物ラグや絨毯に見られる文様やテクスチャをモチーフにしたプリントデザインのことを指します。エスニックやヴィンテージ感を演出するために多用され、ジャカード織のような重厚な柄表現を、プリント技術によって軽やかな素材にも再現できる点が特徴です。ボヘミアンスタイルや民族調ファッションとの親和性が高く、カジュアルからモードまで幅広く用いられています。

ラグ調プリントの定義と特徴

ラグ調プリントとは、ペルシャ絨毯やキリム、オリエンタルラグなどに代表される古典的なラグの模様や質感を、アパレルの布地にプリント技法で再現した柄のことをいいます。実際のラグが持つ幾何学的・植物的・民族的なモチーフを抽出し、色調や配置を衣服用に調整している点が特徴です。

テキスタイルとしてのラグ調プリントは、複雑な織り柄や深みのある色使いを、プリントという軽量・柔軟な方法で表現できるため、厚手素材に依存しないラグ的表現が可能になります。これにより、Tシャツやシャツ、スカート、ワンピース、軽量アウターなどへの応用がしやすく、素材や季節を問わず取り入れることができます。

言葉の由来と歴史的背景

「ラグ調」は、「ラグ=rug(敷物、絨毯)」に「~調(ちょう)」という擬似的な様式を示す接尾語を組み合わせた日本独自の造語です。プリント技術の発達とともに、織物的意匠を印刷で再現するニーズが増え、「ラグ調プリント」というジャンルが確立されました。

そのルーツは、19世紀の東西文化交流によりヨーロッパに広まったオリエンタルラグやトライバルパターンにあります。これらの装飾的で緻密なデザインは、1960?70年代のヒッピームーブメントにおいてファッションに取り入れられ、現代に至るまで民族的・クラフト的価値を象徴するデザインとして定着しました。

現代の使われ方とバリエーション

現代のラグ調プリントは、主にエスニック、ボヘミアン、ナチュラル、ヴィンテージ、モードといったスタイルの中で頻繁に活用されます。特に春夏コレクションでは、明るい色調のラグ風パターンがシフォンやレーヨンなどの薄手素材にプリントされ、軽やかさと異国情緒を両立したルックを演出します。

一方、秋冬にはウールライクなジャージーや厚手コットンに暗色系やアンティーク調のラグ柄がプリントされ、重厚感や季節感を出すデザインが主流となります。これにより、年間を通じて素材感の演出が可能となるため、多様なスタイルに応用しやすい点が魅力です。

また、ラグ調プリントは単なる装飾にとどまらず、ブランドのアイデンティティや文化的文脈を示す要素としても用いられています。アーカイブ的価値のある図案や民族的背景を持つデザインを、現代的にリデザインして商品化する動きも活発で、SDGsやクラフト再評価の流れともリンクしています。

まとめ

ラグ調プリントは、絨毯や民族布に見られる伝統的モチーフを衣料用ファブリックに転用した表現技法であり、クラシカルかつ異国的な雰囲気を軽やかにファッションへ落とし込むことができる技術です。プリントならではの自由度の高さにより、あらゆるジャンル・季節に対応できる汎用性を備えたデザイン要素として、今後も注目されるでしょう。

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