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アパレル業界におけるワークテイストとは?

アパレル業界の分野におけるワークテイスト(わーくていすと、Work Taste、Style de travail)とは、作業着(ワークウェア)に由来するデザインやディテールを取り入れたファッションスタイルを指します。厚手の生地や大きめのポケット、無骨なシルエットなど、実用性を感じさせる要素が特徴で、カジュアルながらも力強さを演出するスタイルとして人気です。ミリタリーやアウトドアとも親和性が高く、ユニセックスなコーディネートとしても広く用いられています。

ワークテイストの定義と特徴

ワークテイストとは、本来は労働者の作業着として生まれたワークウェアの機能的・実用的なデザインを、日常のファッションに応用したスタイルを意味します。このスタイルには、厚手のコットンツイルやデニム素材、大きなパッチポケット、ハンマーループ、トリプルステッチなどのディテールが含まれることが多く、無骨でラフな雰囲気が特徴です。

ワークテイストは、一般的にカジュアルな装いに分類されますが、その中でも特に男らしさや堅牢さを意識したアイテムが多く、同時にシンプルな構造のため着回しやすく実用的でもあります。近年では、女性向けにも柔らかいラインや軽素材でアレンジされたアイテムが展開され、性別を問わず人気が広がっています。

言葉の由来と歴史的背景

ワークテイストの基礎となるワークウェアは、19世紀から20世紀初頭にかけて、工場労働者や農業従事者、建設作業員などの職業衣料として広く使用されていました。アメリカではカーハート(Carhartt)やディッキーズ(Dickies)、フランスではル・ラブルール(Le Laboureur)などが定番ブランドとして知られています。

1980年代以降、こうしたワークウェアの実用性と耐久性に着目したストリートカルチャーやスケーターファッションが、ワークテイストをファッションとして取り入れ始めました。さらに2000年代に入ると、ヴィンテージやアメカジのブームとともに、その歴史的背景とアイコニックなスタイルが再評価され、世界的なファッションシーンでも存在感を増しています。

現代の使われ方とバリエーション

今日のファッションにおけるワークテイストは、単なる労働着を模したものではなく、デザイン性と実用性を兼ね備えたスタイルとして多彩に展開されています。代表的なアイテムには、カバーオール、オーバーオール、ワークパンツ、ワークシャツ、チノパンツなどがあります。

カラーは、ネイビーやカーキ、ベージュなどの落ち着いたアースカラーが主流で、都市生活に溶け込むようなシンプルで控えめな配色が好まれます。コーディネートでは、白Tシャツやスニーカーと合わせたクリーンなスタイルや、ワークブーツとミリタリージャケットを取り入れた本格派スタイルなど、幅広いアレンジが可能です。

さらに、近年ではサステナブルファッションの観点からワークテイストが注目されています。長く使える耐久性と普遍的なデザイン性を重視する点が、環境意識の高まりと合致し、多くのブランドがエコ素材を使用したワークアイテムを展開しています。

まとめ

ワークテイストは、機能性に裏打ちされたシンプルで力強いスタイルとして、現代のカジュアルファッションにおいて確固たる地位を築いています。長い歴史と文化に根ざした背景を持ちながら、現代的な感性によってアップデートされ続けることで、あらゆる世代やライフスタイルにマッチする汎用性の高いスタイルとなっています。

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