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アパレル業界におけるワイドヘムとは?

アパレル業界の分野におけるワイドヘム(わいどへむ、Wide Hem、Ourlet large)とは、衣服の裾(ヘム)部分が広く設計されたデザインを指します。スカートやパンツ、ワンピースなどの裾が広がることで、動きに合わせて豊かなドレープや広がりが生まれ、女性らしさや優雅さを演出します。着用時に流れるようなシルエットを描くため、ドレスアップスタイルやリゾートウェアなどに多く用いられます。デザイン性と実用性を兼ね備えた要素として、現代のアパレルシーンでも高く評価されています。

ワイドヘムの定義と特徴

ワイドヘムとは、衣服の裾部分にゆとりを持たせて、幅広く広がるようにデザインされたディテールのことを指します。ヘム(Hem)は英語で「裾」という意味であり、「ワイド=広い」と組み合わせることで、裾周りの布量が通常よりも多いことを表しています。

このデザインは、歩いたり動いたりした際に裾が自然に揺れ動くことで、流れるようなエレガントな印象を与えます。特に、スカートやドレスで取り入れられることが多く、華やかさや柔らかさ、ボリューム感を加えるのに適しています。

言葉の由来と歴史的背景

「ヘム(Hem)」は、衣服の布端を処理する技法やその部分を意味する言葉として、英語圏を中心に長く用いられてきました。「ワイドヘム」という表現は、特にファッション業界において、デザイン的に裾幅を強調するスタイルを指す用語として使われるようになったものです。

このスタイルは、古代ギリシャやローマ時代のトガやチュニックのように、布の分量を贅沢に使った衣服に見られた伝統がルーツとも言われています。19世紀のヴィクトリアン・ドレスや20世紀中盤のニュールックにも代表されるように、裾の広がりは女性らしさの象徴として歴史的に位置づけられてきました。

現代の使われ方とバリエーション

現代においてワイドヘムは、単なる装飾的な要素としてだけでなく、シルエットや動きに変化を与える実用的なディテールとしても重要視されています。特に、リゾートワンピースやマキシ丈のスカート、ワイドパンツなどに多く取り入れられ、リラックス感と華やかさを両立させるファッションとして支持されています。

素材によっても印象が大きく変わります。例えば、シフォンやレーヨンなどの軽やかな素材では柔らかく優雅に揺れる印象を与え、デニムやウールなど厚手の素材では構築的でボリューム感のあるシルエットが生まれます。また、裾部分にフレアやプリーツ、カッティングを加えることで視覚的なアクセントにもなり、デザインの幅が広がります。

さらに、ジェンダーレスファッションの流れの中で、ワイドヘムのパンツやロングトップスなど、ユニセックスなアイテムにも応用されており、シーンやスタイルを問わず多様な展開が見られます。

まとめ

ワイドヘムは、衣服の裾に広がりを持たせることで動きやシルエットに表情を与えるデザイン手法として、古代から現代に至るまでさまざまな形で用いられてきました。現在では、素材やシーンに合わせた多彩なアレンジが可能となり、モード、カジュアル、フェミニン、リゾートなど幅広いジャンルで活躍しています。ワイドヘムの魅力は、その視覚的な美しさと着心地の良さにあり、今後もファッションにおける重要な要素として注目され続けるでしょう。

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