アパレル業界におけるワイヤーブラとは?
アパレル業界の分野におけるワイヤーブラ(わいやーぶら、Wired Bra、Soutien-gorge avec armature)とは、カップの下部にワイヤー(針金や樹脂製のフレーム)を内蔵し、バストの形を整えつつしっかりと支える機能を持ったブラジャーのことです。女性用インナーウェアの代表的なスタイルであり、バストラインの美しさを強調し、着衣のシルエットを整える目的で広く使われています。近年は快適性と美しさを両立した設計や素材も進化しており、日常使いからフォーマルまで多彩な場面で活用されています。
ワイヤーブラの定義と特徴
ワイヤーブラは、ブラジャーのカップの下部に細いワイヤーを仕込むことで、バストを持ち上げて形を整え、理想的なバストラインを演出するインナーウェアです。ワイヤー部分にはステンレスやプラスチック、ソフトワイヤーなどさまざまな素材が使用され、体にフィットしやすいように設計されています。
この構造によってしっかりとバストを支える効果があり、特に豊かなバストを持つ人や補整効果を求める人に好まれます。着用時の安心感と安定感があり、洋服を美しく着こなすうえでも重要な役割を果たします。
言葉の由来と歴史的背景
「ワイヤーブラ」という言葉は、英語の「Wired Bra」から来ており、「wire(ワイヤー)」と「bra(ブラジャー)」の組み合わせです。20世紀初頭、アメリカで特許が取得されたカップとワイヤーを組み合わせたブラジャーが原型とされ、1930年代にはすでに量産され始めていました。
第二次世界大戦後、ファッションの変化に伴い、身体のラインを美しく見せるインナーとして需要が拡大。特に1950年代?1960年代には、ハリウッド女優たちの豊かなバストラインが理想とされ、ワイヤーブラはその象徴的アイテムとなりました。
日本では1960年代以降に本格的に普及。下着メーカー各社が独自の構造や素材を開発し、より快適な装着感と美しいバストラインを追求したワイヤーブラが多数登場しました。
現代の使われ方とバリエーション
今日のアパレル業界では、ワイヤーブラは多様な体型や目的に応じてバリエーションが豊富に展開されています。フルカップ、3/4カップ、ハーフカップ、プッシュアップタイプなど、バストの形状や着用シーンに合わせた選択が可能です。
また、ワイヤーの硬さや形状も進化しており、肌当たりが柔らかく違和感の少ない設計や、長時間着用でも快適さを保つ素材が採用されるなど、機能性が向上しています。最近では、アウターに響かないシームレス設計や、汗を逃がすメッシュ素材なども人気です。
一方で、ナチュラル志向やリラックス重視のライフスタイルに対応して、ノンワイヤーブラとの併用や、用途に応じた使い分けがされるようになっています。フォーマルやオフィス用にはワイヤーブラ、在宅や休日にはノンワイヤーという流れが一般化しつつあります。
まとめ
ワイヤーブラは、バストラインを美しく整え、服のシルエットを引き立てる重要なインナーアイテムです。その歴史は100年近くにわたり、常に快適性・機能性・美しさの融合を目指して進化を続けてきました。現代では一人ひとりの体型やライフスタイルに合わせた多様な選択肢が存在し、ファッションの土台としての役割を担い続けています。