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アパレル業界におけるワイドショルダーとは?

アパレル業界の分野におけるワイドショルダー(わいどしょるだー、Wide Shoulder、?paules larges)とは、肩幅を広めに設計したシルエットやディテールを指します。肩にパッドや構築的なデザインを加えることで、印象的でパワフルな上半身のラインを演出するのが特徴です。1980年代に流行したパワーショルダーがその代表例であり、現在もモードやユニセックス、ストリートスタイルで存在感を放つデザイン要素として再評価されています。

ワイドショルダーの定義と特徴

ワイドショルダーとは、肩幅を標準よりも広く設計し、視覚的に肩を強調するスタイルのことを指します。洋服の肩部分にパッドや張りのある素材を使用することで、上半身にボリュームや構造感を与えるのが基本的な手法です。

このディテールは、着る人の体格を大きく、存在感のある印象に見せることができ、特にジャケットやコート、ブラウスなどで頻繁に見られます。シャープなラインを形成するため、モード系ファッションにもよく取り入れられ、ジェンダーレスなスタイルにも適しています。

言葉の由来と歴史的背景

「ショルダー(Shoulder)」は英語で「肩」を意味し、「ワイド(Wide)」は「広い」を意味します。この二語を組み合わせた「ワイドショルダー」という表現は、肩幅の広いシルエットを特徴とするファッションスタイルを直接的に示しています。

ワイドショルダーの起源は20世紀初頭の軍服や紳士服に見られる肩パッドの使用にありますが、最も象徴的な流行は1980年代です。この時代、キャリアウーマンの増加とともに「パワーショルダー」と呼ばれる肩パッド入りのジャケットが流行し、自立した女性像や権威、強さの象徴として定着しました。

その後1990年代にはナチュラル志向とともに一時下火となりましたが、2010年代以降、レトロやアーカイブのリバイバルの影響で再び注目され、現代的にアップデートされたワイドショルダーが各ブランドから発表されるようになっています。

現代の使われ方とスタイリング

現在、ワイドショルダーはモード系ブランドを中心に、個性や強さを表現するためのデザイン要素として幅広く使用されています。シャープなラインが特徴のテーラードジャケットや、オーバーサイズのアウター、ストリートスタイルのトップスなどで活用されています。

また、性別を問わず取り入れられるデザインとして、ユニセックスやジェンダーレスファッションの中でも重宝されています。ウエストを絞ったデザインと組み合わせることで、肩幅とのコントラストが強調され、ドラマチックなシルエットが生まれます。

さらに、構築的なフォルムを活かしたアート的アプローチとしても使用されており、ランウェイコレクションでは立体裁断を駆使したショルダーデザインが多く見られます。ビジネスやフォーマルシーンでは控えめに、カジュアルやイベントでは大胆に取り入れるなど、用途によるスタイリングの幅も広がっています。

まとめ

ワイドショルダーは、肩幅を強調することで、視覚的にインパクトを与えるデザインとして、ファッションの歴史の中で何度も再評価されてきたディテールです。構築的なシルエットや自立した印象を生むため、現代のファッションにおいても重要な位置を占めており、今後もジェンダーを越えた表現やシルエットの新たな可能性として注目され続けるでしょう。

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