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アパレル業界におけるワークテイストファッションとは?

アパレル業界の分野におけるワークテイストファッション(わーくていすとふぁっしょん、Work Taste Fashion、Mode d’inspiration utilitaire)とは、労働着や作業服に由来するデザインやディテールをファッションに取り入れたスタイルのことです。タフで実用的な素材やシルエット、ミリタリーやワークウェアの機能性を生かしつつ、現代的にアレンジされたアイテムが多く、近年ではメンズ・レディース問わず、ストリートやカジュアル、モードの分野でも人気を博しています。

ワークテイストファッションの定義と特徴

ワークテイストファッションとは、もともと労働者が着用していた作業服(ワークウェア)に由来するデザインを取り入れたファッションスタイルを指します。頑丈な素材や機能的なポケット、ゆったりとしたシルエットなどが特徴で、実用性とラフさを兼ね備えた魅力があります。

代表的なアイテムには、カバーオール、オーバーオール、ワークシャツ、カーゴパンツ、チノパン、エンジニアジャケットなどがあります。これらは本来の用途である作業現場での機能性を追求した設計がなされており、現在のファッションにおいてもその機能美が高く評価されています。

言葉の由来と歴史的背景

「ワーク(Work)」は英語で「労働」、「テイスト(Taste)」は「味」や「趣向」を意味し、「ワークテイスト」は直訳すると「労働の雰囲気」や「作業服風の趣き」となります。この表現がファッション分野に転用され、作業着的な要素をファッションアイテムに取り入れるスタイルを表すようになりました。

ワークテイストファッションのルーツは19世紀のアメリカやヨーロッパにさかのぼり、当時の労働者たちが着ていた頑丈な衣服が起源です。特にアメリカでは、Levi's(リーバイス)やDickies(ディッキーズ)、Carhartt(カーハート)などのブランドが、炭鉱夫や農夫、工場労働者向けに耐久性重視のウェアを展開しました。

1970年代以降には、これらの機能的で無骨なデザインが若者文化やストリートファッションと結びつき、ミリタリーやパンク、ヒップホップの要素と融合しながら独自のスタイルを確立していきました。2000年代以降は、モード系ブランドやセレクトショップでもワークテイストを取り入れたコレクションが多数登場し、ユニセックスでの広がりも見せています。

現代の使われ方とバリエーション

現在、ワークテイストファッションは、日常着としての取り入れやすさと、機能性の高さ、そして無骨でありながら洗練されたデザインが支持され、男女問わず幅広い世代に人気です。都市部のストリートスタイルから、ナチュラル系カジュアルまでさまざまなコーディネートに活用されています。

たとえば、ゆったりとしたシルエットのカーゴパンツや、複数ポケットを備えたワークベスト、ヘビーデューティなキャンバス生地のジャケットなどが代表的です。そこにミニマルなデザインやモノトーンカラーを掛け合わせることで、現代的で都会的な印象に昇華させたスタイルが主流です。

さらに、近年ではサステナブルな視点から、古着やリメイクを活用したワークテイストの再解釈も広がっており、ファッションとしての意味だけでなく、ライフスタイルや価値観を表現する手段としても注目を集めています。

まとめ

ワークテイストファッションは、機能性に裏付けされたデザインを現代的な美意識で再構築したスタイルとして、アパレル業界において重要な位置を占めています。そのルーツは労働着にありながら、ストリートやモード、ナチュラル系ファッションなど多彩な分野で取り入れられており、トレンドを超えて定番として愛される存在となっています。今後も実用性とファッション性の両立をテーマに進化を続けることでしょう。

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