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アパレル業界におけるワイドシルエットコートとは?

アパレル業界の分野におけるワイドシルエットコート(わいどしるえっとこーと、Wide Silhouette Coat、Manteau ? silhouette large)とは、身幅や袖幅、肩幅にゆとりを持たせたボリューム感のあるコートを指します。身体のラインを隠すゆったりとしたデザインで、リラックス感やモード感を演出できるのが特徴です。近年では性別を問わず人気があり、レイヤード(重ね着)の幅も広がるため、秋冬の主力アイテムとして注目を集めています。

ワイドシルエットコートの定義と特徴

ワイドシルエットコートとは、従来のジャストサイズに比べて、全体的にゆとりをもたせたシルエットのコートを指します。特に、身頃や袖、肩周りが広く設計されており、着る人の体型を問わずバランスよく着こなせる利点があります。

見た目には、体を包み込むようなシルエットとなり、着るだけでファッション性が高く見えるため、モード系からカジュアルまで幅広いスタイルに対応可能です。ゆとりがあるため、インナーに厚手のニットやジャケットを合わせてももたつかず、防寒性と快適さを両立できる実用性も備えています。

言葉の由来と歴史的背景

「ワイドシルエット」は、英語の「Wide(広い)」と「Silhouette(輪郭、外形)」に由来し、衣類の輪郭に広がりを持たせたデザインを意味します。この概念自体は20世紀初頭のヨーロッパにおけるアーティスティックなモードに端を発しますが、実際に大衆的なトレンドとなったのは1980年代以降です。

特に1980年代にはビッグシルエットやパワーショルダーが流行し、男性・女性問わずワイドなコートやジャケットが街中にあふれました。1990年代には一時的にスリムフィット志向が高まりましたが、2000年代後半から再びオーバーサイズトレンドが復活し、今や現代のスタンダードのひとつとなっています。

現代の使われ方とバリエーション

現在、ワイドシルエットコートは、ジェンダーレスファッションやストリートスタイルの象徴として幅広く用いられています。特にZ世代を中心に、着ることで「こなれ感」や「抜け感」を演出できるファッションアイテムとして高い人気を誇っています。

デザイン面でも多様化が進んでおり、チェスターコート、トレンチコート、モッズコートなどのクラシックなスタイルにワイドなシルエットを取り入れたバリエーションが登場しています。また、厚手のウール、合繊素材、ボアやキルティングなど、素材選びによって季節感や印象を自由に変えることができます。

また、レイヤードスタイルとの相性が非常に良く、スウェットやシャツ、フーディー、ジャケットなどとの重ね着においてシルエットが崩れにくく、全体のコーディネートにボリュームと動きを与えるアイテムとして重宝されています。

まとめ

ワイドシルエットコートは、ボリュームのあるフォルムによってリラックス感と現代的なスタイルを両立するアウターウェアです。時代のトレンドやジェンダーレス化の流れとともに再注目されており、今後もさまざまな素材やディテールの工夫によって、より幅広い層に受け入れられていくことが期待されます。

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