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アパレル業界におけるワイドスラックスとは?

アパレル業界の分野におけるワイドスラックス(わいどすらっくす、Wide Slacks、Pantalon large)とは、脚のラインにゆとりを持たせた幅広シルエットのスラックスのことを指します。フォーマルとカジュアルを兼ね備えたアイテムとして人気があり、動きやすさや体型カバーといった機能性も評価されています。1940年代のヨーロッパに端を発し、現代ではジェンダーレスなファッションやモード系スタイルに欠かせない定番アイテムとして浸透しています。

ワイドスラックスの定義と特徴

ワイドスラックスとは、ヒップから裾にかけて幅広なラインで構成されたスラックスであり、一般的なタイトまたはテーパード型のパンツと異なり、全体的に直線的かつゆとりのあるシルエットが特徴です。

素材にはウールやポリエステル、レーヨンなどのドレープ性に富んだ生地が使用されることが多く、動作時に自然な揺れや流れを生み出すことで、上品で落ち着いた印象を与えます。快適な着心地とフォーマルさを両立させたデザインは、オフィススタイルからカジュアルなストリートファッションまで、幅広く応用が利きます。

言葉の由来と歴史的背景

「スラックス(Slacks)」は、19世紀後半から使われている英語で、元来はややカジュアルなパンツを意味する言葉として、フォーマルなトラウザーと区別されていました。

ワイドスラックスの起源は、1930?40年代のヨーロッパにあり、当時の映画俳優や舞踏家たちが着用していたエレガントで余裕のあるボトムスに端を発します。特にイギリスの仕立て文化では、脚のラインを誇張しないワイドなシルエットが上流階級の美意識として受け入れられていました。

その後、1960年代にはアメリカやフランスなどで反体制的な若者文化がファッションに影響を与え、自由な表現としてのワイドパンツが注目されます。これが1970年代のヒッピームーブメントやモード界へと波及し、既成概念にとらわれないパンツスタイルとして確立されていきました。

現代の使われ方とスタイリング

現在のファッションシーンにおいて、ワイドスラックス性別を問わず使える定番アイテムとして広く浸透しています。ビジネスカジュアルにおいては、ジャケットと合わせた都会的なスタイルが定番で、ドレスコードに柔軟に対応できる点も人気の理由です。

一方で、オーバーサイズのシャツやニット、Tシャツなどと組み合わせてルーズなシルエットを楽しむカジュアルスタイルも定番化しています。特にモノトーンやアースカラーなどのベーシックカラーと相性が良く、個性を主張しすぎない洗練された印象を演出します。

また、足元にはローファーやスニーカー、ブーツなどを合わせてシーンごとに変化をつけられる点も魅力で、オン・オフ問わず着回しが可能です。加えて、丈やウエストの高さを変えることで、クラシカルにもストリートにもアレンジできる柔軟性があります。

まとめ

ワイドスラックスは、動きやすさ・スタイル補整・洗練されたシルエットを兼ね備えた万能パンツとして、時代を超えて支持され続ける存在です。クラシカルな背景を持ちつつ、現代の多様なライフスタイルに適応する柔軟性を備えており、今後も新たな素材やシルエットの展開を通して、さらなる進化が期待されます。

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