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アパレル業界におけるワンウォッシュ仕上げとは?

アパレル業界の分野におけるワンウォッシュ仕上げ(わんうぉっしゅしあげ、One Wash Finish、Finition ? un seul lavage)とは、製造された衣服を一度だけ水洗いする加工方法を指します。特にデニム製品において多く見られる仕上げで、生地の縮みを事前に防ぐと同時に、肌触りを柔らかくし自然な風合いを引き出す目的で施されます。過度な加工を避けたナチュラルな風合いが特徴で、ヴィンテージ感や経年変化を楽しみたい層に人気があります。

ワンウォッシュ仕上げの定義と特徴

ワンウォッシュ仕上げとは、衣服を仕上げる工程で一度だけ洗濯(水洗い)を施す加工技術を意味します。この処理により、生地の縮みやねじれといったトラブルをあらかじめ解消し、消費者が購入後にサイズ変化なく着用できるようになります。

特にデニムや厚手のコットン素材に多く用いられ、未洗いの「リジッド(生デニム)」に比べて柔らかく、着始めから快適に感じられる点が魅力です。また、過度に加工されていないため、着用と洗濯を重ねることでユーザー独自の風合いや色落ちを楽しむことができます。

言葉の由来と歴史的背景

「ワンウォッシュ(One Wash)」という言葉は英語であり、直訳すると「一度洗ったもの」を意味します。この表現は、アメリカのジーンズ文化やワークウェアの文脈から派生したと考えられており、特に1950年代以降のヴィンテージデニムの普及とともに認知が広がった用語です。

かつてのジーンズはリジッドの状態で販売されており、購入後に大きく縮むことが一般的でした。その後、事前に縮みを防ぐ「サンフォライズド加工(防縮加工)」が登場し、そこに一度だけの洗い=ワンウォッシュという工程を加えることで、実用性と風合いを両立した仕上げが生まれました。

現代の使われ方とバリエーション

現在のアパレル業界では、ワンウォッシュ仕上げクラシックでナチュラルな雰囲気を求める製品に多く見られます。特にデニムパンツやGジャン、ミリタリージャケットなどでは、ヴィンテージ感と自然な色味を残す目的で用いられることが一般的です。

また、環境負荷を抑える観点からも、過度なストーンウォッシュやケミカル加工を避けたワンウォッシュ仕上げは注目されています。サステナブルな素材や製造方法と相性が良く、ミニマルなデザイン志向やエコ志向のブランドにも広く採用されています。

一方で、色落ちやダメージ加工を好むユーザーにとっては、ワンウォッシュ状態から自分のスタイルに育てる楽しさがあり、「育てるデニム」としての魅力も人気の理由の一つです。メンズ・レディース問わず、着用シーンやライフスタイルに合わせて選ばれています。

まとめ

ワンウォッシュ仕上げは、製品に一度だけ洗いをかけることで実用性と自然な風合いを両立させる加工方法です。ヴィンテージテイストやサステナブルな価値観との親和性も高く、現代のファッションにおいて素材本来の魅力を活かす重要な仕上げ手法のひとつとして広く認知されています。

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