アパレル業界におけるワッフルニットとは?
アパレル業界の分野におけるワッフルニット(わっふるにっと、Waffle Knit、Maille gaufr?e)とは、生地の表面に格子状の凹凸がある編地(ニット)を指します。この独特な編み構造が、まるでワッフルのような見た目を持つことから命名されています。保温性と通気性を両立し、肌触りが柔らかく伸縮性も高いため、インナーウェアからカジュアルウェアまで幅広く用いられています。近年では機能性とナチュラルな風合いが評価され、アウトドアやルームウェアとしても人気が高まっています。
ワッフルニットの定義と特徴
ワッフルニットとは、格子状に凹凸が形成された編み地のことを指し、その形状がベルギーワッフルの表面に似ていることからこの名が付けられました。
編地の構造上、凹部分が空気の層を作るため保温性が高く、また汗を吸いやすく速乾性も兼ね備えているのが特徴です。肌との接地面が少ないため、蒸れにくく、快適な着心地を実現します。また、伸縮性に富んでいるため動きやすく、日常着としても優れた性能を持っています。
言葉の由来と歴史的背景
「ワッフルニット」という言葉は、“waffle”(ワッフル)=焼き菓子と、“knit”(ニット)=編み物という二語から構成されます。生地の表面がまるでワッフルのように凸凹していることからこの名が付きました。
この素材の起源は19世紀後半から20世紀初頭のアメリカやヨーロッパのインナーウェアにさかのぼります。特に軍用のアンダーウェアやワークウェアに採用され、保温性と動きやすさを重視した衣類として発展しました。後に一般向けにも広まり、機能性と着心地を兼ね備えた日常着として定着していきました。
現代の使われ方とバリエーション
現在では、ワッフルニットはロンT、スウェット、パーカー、ルームウェア、アンダーウェアなど多岐にわたるアイテムで用いられています。とくに、ナチュラルで素朴な風合いが人気を集め、アウトドアやサステナブルファッションの文脈でも注目されています。
カラーバリエーションも豊富で、オーガニックコットンやリサイクル素材などとの相性も良く、エコ意識の高い消費者層にも支持されています。形状としては、厚手でしっかりしたものから、薄手で柔らかいタイプまで存在し、用途やシーズンによって選ばれます。
また、ワッフル生地は視覚的にもテクスチャーのある表情を持つため、シンプルながらも奥行きのあるデザインとして、コーディネートの幅を広げてくれる素材として高く評価されています。
まとめ
ワッフルニットは、見た目の個性、着心地、機能性を兼ね備えた万能素材です。その歴史は実用性を重視したミリタリーやワークウェアに端を発し、現在ではカジュアルからラウンジウェアまで幅広く愛用されている点で、現代のファッションにおいて欠かせない存在といえるでしょう。