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アパレル業界におけるワンタックパンツとは?

アパレル業界の分野におけるワンタックパンツ(わんたっくぱんつ、One-Tuck Pants、Pantalon ? un pli)とは、パンツの前面に1本のタック(ひだ)が入ったデザインのボトムスを指します。ウエスト周辺にゆとりを持たせることで、快適な穿き心地と上品なシルエットを両立しています。ドレッシーな印象と機能性を兼ね備えたスタイルとして、メンズ・レディース問わず多くのブランドで採用されており、クラシック回帰のトレンドとも結びついています。

ワンタックパンツの定義と特徴

ワンタックパンツとは、パンツの前面に1本のタック(折り返し)を持たせることによってウエストから腰回りにかけてゆとりを持たせた設計のボトムスです。タックには外向き(アウトタック)と内向き(インタック)があり、ワンタックパンツはそのいずれか1本を左右に配置することで構成されます。

このデザインにより、座ったり動いたりしたときの可動域を確保しつつ、正面から見たときの立体感あるシルエットを形成します。また、ウエストから太ももにかけてはゆとりを持たせつつ、裾にかけてはテーパードさせたラインが多く、スタイルアップ効果も狙える点が特徴です。

言葉の由来と歴史的背景

「タック(Tuck)」とは、英語で「折り目」や「ひだ」を意味し、アパレルにおいては布を一度折りたたんで縫い留めたディテールを指します。タック入りパンツの起源は20世紀初頭のヨーロッパにさかのぼり、英国紳士のクラシックスタイルとして発展しました。

特に1930年代から1950年代にかけては、スーツパンツやドレスパンツの定番ディテールとして定着し、1本または2本のタックが付いたパンツが流行しました。戦後のアメリカや日本でも、ゆとりあるデザインが実用性や快適性の観点で好まれ、ビジネススタイルに取り入れられました。

しかし1980年代から1990年代にかけて、スリムでタックのないパンツ(ノータック)の人気が台頭し、一時は影を潜めました。ところが近年では、クラシック回帰や快適な着心地を重視するライフスタイルの広がりにより、ワンタックパンツが再び注目されています。

現代の使われ方とスタイリング

現代のアパレルにおいて、ワンタックパンツドレスとカジュアルの中間に位置するボトムスとして幅広いシーンで活用されています。特にテーラードジャケットやシャツと合わせたスタイルでは、エレガントな印象を与えることができるため、ビジネスカジュアルやフォーマル寄りのコーディネートに最適です。

また、タックによる適度なボリューム感があるため、Tシャツやスウェットと合わせたラフな着こなしでもこなれた雰囲気を演出できます。ファッション性を重視したスタイルでは、カラーや素材、シルエットの変化によって個性を強調する要素としても人気を集めています。

ウールやリネン、ポリエステル混など素材のバリエーションも豊富で、季節に応じた展開がなされており、メンズ・レディースともにオン・オフ問わず使える万能アイテムとなっています。

まとめ

ワンタックパンツは、前面に1本のタックを配したことで、快適性とスタイル性を兼ね備えたパンツです。その歴史はクラシックな紳士服に端を発し、現代ではより洗練されたフォルムと機能性を追求するアイテムとして再評価されています。多様なシーンに対応する万能なボトムスとして、今後もさらなる展開が期待されます。

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