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アパレル業界におけるワイドフレアとは?

アパレル業界の分野におけるワイドフレア(わいどふれあ、Wide Flare、?vas? large)は、裾(すそ)が大きく広がったシルエットを持つパンツやスカート、またはドレスを指す用語です。ウエストやヒップから裾にかけて広がるデザインが特徴で、動きやすさや女性らしい優雅な印象を与える効果があります。1970年代のファッションに由来し、現代ではレトロ感とエレガンスを融合させたスタイルとして再評価されています。

ワイドフレアの定義と特徴

「ワイドフレア」とは、衣服のシルエットが裾に向かって大きく広がるデザインを指します。とりわけ、ワイドパンツやスカートに使われることが多く、その名の通り「ワイド=広い」「フレア=広がり」という構造を持ちます。通常のフレアよりもさらに広がりが大きく、ボリューム感が際立つのが特徴です。

このシルエットは、視覚的に足を細く見せる効果があり、体型カバーやスタイルアップにもつながるため、さまざまな年齢層や体型の人々に人気があります。素材によって印象が異なり、柔らかい布地ならドレープ感が強調され、硬めの布地なら構築的な印象を演出します。

語源とデザインの由来

「フレア(Flare)」という言葉は、英語で「広がる、はためく」を意味し、1960?70年代のヒッピーカルチャーやディスコブームの時代に、ベルボトムやフレアパンツとして一世を風靡しました。「ワイドフレア」という表現は、この「フレア」デザインにさらなるボリュームや幅広さを加えた形で誕生しました。

フランス語では「?vas? large(エヴァゼ・ラルジュ)」と表現され、「?vas?」がフレア、「large」がワイドを意味します。特にフランスのモード界では、フレアラインは女性らしい曲線美を強調する要素として長く愛されてきました。

歴史的背景と進化

1970年代に登場したフレアパンツは、カウンターカルチャーの象徴でもありました。当時の若者はジーンズや派手なプリントのフレアパンツで自己表現を行っていました。のちに1980年代にはスリムなシルエットが主流となり、一時的にフレアは下火となりましたが、2000年代以降のリバイバルブームにより再び脚光を浴びます。

特に2010年代以降、ミニマリズムやノームコアの流行とともに、より構築的で洗練されたワイドフレアが注目され、ハイブランドからファストファッションまで幅広く展開されるようになりました。

現代における使われ方とスタイリング

ワイドフレアは、日常のカジュアルスタイルからフォーマルなドレススタイルまで、多様なシーンで活躍します。例えば、ハイウエストのワイドフレアパンツは、トップスをインすることで脚長効果が期待でき、ビジネスカジュアルにも適応可能です。

スカートの場合、ミモレ丈やロング丈で取り入れることが多く、エレガントかつ快適な着心地を求める層に人気があります。足元にはヒールやショートブーツを合わせることで、シルエットの美しさが引き立ちます。

デザイナーと市場の動向

多くのモードブランドがワイドフレアを現代風にアレンジし、シーズンごとに異なる素材や柄で打ち出しています。特にサステナブルな素材を使ったワイドフレアパンツやスカートが注目されており、ファッション業界の環境配慮の流れともマッチしています。

また、ジェンダーレスなシルエットとしての活用も進んでおり、メンズラインにおいてもワイドフレアのパンツが登場しています。これは服の機能性や美的価値が、性別を超えて求められていることの表れとも言えます。

まとめ

ワイドフレアは、レトロな魅力と現代的な機能美を兼ね備えたデザインであり、時代ごとに形を変えながら愛され続けています。その起源は1970年代のカウンターカルチャーにあり、現在ではより多様なシーンとスタイルに適応する万能なアイテムとして確立しています。今後も、個性と快適さ、スタイルアップ効果を求めるファッション愛好者にとって、重要な選択肢であり続けるでしょう。

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